2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒツジ胎仔を用いた子宮内炎症がびまん性脳白質損傷の発症に与える影響の解明
Project/Area Number |
21591407
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松田 直 東北大学, 病院, 准教授 (50361100)
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Keywords | 子宮内炎症 / 脳血流量 / 脳虚血 / 胎児 / brain-sparing effect / 脳室周囲白質軟化 / 脳白質損傷 / ヒツジ |
Research Abstract |
本研究では子宮内炎症もしくは脳虚血によってヒツジ胎仔の脳白質に誘導されるびまん性脳白質損傷の発症機構を明らかにするため,脳白質における希突起膠細胞系(NG2,04,CNPase,PLP),反応性星状膠細胞(GFAP),活性化ミクログリア(LEA),apoptosis(TUNEL)の分布密度を解析した. ヒツジ胎仔を用いた慢性実験系を作成し,子宮内炎症and/or急性循環不全を負荷することによって脳白質損傷を誘導した.対象をSham群(n=6),炎症群(n=5),循環負荷群(n=5),炎症+循環負荷群(n=8)に分け,線状体レベルで冠状断の標本を用いて,脳室周囲白質と皮質下白質の免疫染色強度を定量化し,4群間で統計的に比較した.また今年度の実験では,希突起膠細胞系の成熟度を評価するため半卵円中心と脳梁膨大部の髄鞘化を電子顕微鏡で観察した(n=4). NG2陽性密度の比較では4群間に差はなかった.O4陽性密度は炎症群,循環負荷群,炎症+循環負荷群がSham群に比較して減少していた.CNPase陽性密度は炎症群と炎症+循環負荷群がSham群に比較して増加していた.PLP陽性密度は循環負荷群がSham群に比較して増加していた.GFAp陽性密度は循環負荷群と炎症+循環負荷群がSham群に比較して増加していた.LEA陽性密度はSham群に比較して循環負荷群が増加していたが炎症+循環負荷群では減少していた.TUNEL陽性密度は炎症群,循環負荷群,炎症+循環負荷群がSham群に比較して減少していた. 以上より,脳虚血ならびに子宮内炎症は未熟なOL precursorにapoptosisが誘導されるというよりは,むしろOL precursorからpost-mitotic OLへの成熟を著しく促進する(過成熟する)ことによって脳の成長障害を誘導していることが示唆された.
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Research Products
(5 results)