2011 Fiscal Year Annual Research Report
先天性中枢性低換気症候群の病態について:PHOX2B変異とハプロタイプ
Project/Area Number |
21591411
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐々木 綾子 山形大学, 医学部, 講師 (60333960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早坂 清 山形大学, 医学部, 教授 (20142961)
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Keywords | 先天性中枢性低換気症候群 / PHOX2B / アラニン伸長変異 / 不等姉妹染色分体交換 |
Research Abstract |
先天性中枢性低換気症候群の約90%の症例では,PHOX2B遺伝子の5-13個のアラニン鎖の伸長変異を有しており,10%の症例はミスセンス変異,ナンセンス変異,フレームシフト変異などを有している.また,アラニン伸長変異の95%はdenovoの変異であり,5%は親からの遺伝によると考えられてきた.私達は,denovoのアラニン伸長変異の由来および伸長機構について研究し,2007年,このdenovoの変異はinformativeな6家系において父由来であること,さらに伸長機構についてはinformativeな4家系において不等姉妹染色分体交換による事を明らかにした.今回の研究では,さらにそれぞれ3家系において,父由来であることと,不等姉妹染色分体交換による事を確認した.また,7個のアラニン伸長変異では,rs17884724 : A>Cの多型を有する頻度が非常に高い事を確認した.この多型有することで,不等姉妹染色分体交換を想定した配列の並びでは,ミスマッチ配列が少なくなり,このことも伸長機構は不等姉妹染色分体交換によることを裏付けているものと考える.国内の多くの症例の遺伝子診断を行い,約50例のPHOX2B遺伝子変異を検出し,臨床的にも貢献してきたと考えている.伸長変異の5%は親からの遺伝によると考えられてきたが,モザイクや遅発性の中枢性低換気症候群に罹患している親からの遺伝によるものが25%も存在する事を明らかにした. }
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