2011 Fiscal Year Annual Research Report
未熟児慢性肺疾患への新しい治療としての抗サイトカイン治療導入のための研究
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21591417
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
西巻 滋 横浜市立大学, 附属病院, 教授 (20275043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 俊平 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (10158363)
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Keywords | 炎症 / 周産期 / 胎児炎症反応症候群 |
Research Abstract |
出生前に罹患する胎児炎症反応性症候群feal inflammatory response syndrome:FIRS)は胎児や新生児に高サイトカイン血症を来たし、児の転帰に関係する重要な因子である。そのため児の炎症反応に関係する胎内環境として、絨毛膜羊膜炎(CAM)のみならず臍帯炎の存在に注目し、サイトカイン値を検討しなければならない。 早産児36例(在胎週数≦32週)を対象に、(1)CAMも臍帯炎もなかった15例(C(-)F(-)group)、(2)CAMはあったが臍帯炎はなかった15例(C(+)F(-)group)と(3)CAMも臍帯炎もあった6例(C(+)F(+)group)の3群に分けた。3群で血中のinterleukin(IL)-1β、IL-6、IL-8値を、日齢0(=臍帯血)、3、7、14、21、28に測定した。臍帯炎の存在が児の血中サイトカイン値を上げるのか、また出生直後からの血中サイトカイン値はどう変化するのか、の2点を調べた。 C(+)F(+)groupの臍帯血中IL-1β、IL-6、IL-8は著明に高値であり、日齢3に低下した。特にIL-6は値に幅が大きく、値の変化も著しかった。一方で、C(+)F(-)groupとC(-)F(-)groupの値は大きな変化がなかった。臍帯血中IL-1β、IL-6、IL-8を検討すると、C(+)F(-)groupとC(-)F(-)groupの値に比べ、いずれのサイトカイン値もC(+)F(+)groupで有意に高値であった。 早産児の臍帯血に認められた高サイトカイン血症には、CAMだけではなく臍帯炎の存在が大きく関与していることが示唆された。FIRSの判定には臍帯炎の病理診断が有用であろう。胎内で炎症に曝されていたために生じた高サイトカイン血症は、その影響から離れた出生後の数日で消失した。そのため早産児のFIRSの把握には生直後の血液からのデータが重要である。
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[Journal Article] Severity of chorioamnionitis and neonatal outcome2011
Author(s)
Sato M, Nishimaki S, Yokota S, Seki K, Horiguchi H, An H, Ishida F, Fujita S, Ao K, Yatake H, Yatake H
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Journal Title
Journal of Obstetrics and Gynaecology Reseaerch
Volume: Vol.37
Pages: 1313-1319
Peer Reviewed
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