2011 Fiscal Year Annual Research Report
アデニル酸シクラーゼを標的とした副作用のない動脈管制御の開発
Project/Area Number |
21591418
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岩崎 志穂 横浜市立大学, 市民総合医療センター, 准教授 (10347338)
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Keywords | 動脈管 / アデニル酸シクラーゼ |
Research Abstract |
動脈管に対し現在使用されているプロスタグランジン(PG)関連の薬剤は副作用が問題となる事が多い。動脈管閉鎖には血管収縮およびヒアルロン酸(HA)分泌に基づく内膜肥厚が関与しておりプロスタグランジンE(PGE)は両者に作用している。本研究では、PGEの作用を介しているアデニル酸シクラーゼ(AC)のアイソフォームが、血管拡張と内膜肥厚への選択的な作用を持つか否かを調べる事で副作用の少ない新薬を開発することを目的とした。22年度までの実験でAC2、6が動脈管で高発現しておりHA分泌にはAC6している事、AC6の作用で亢進したHA産生がAC2で抑制されること、AC6が血管拡張に作用する事が明らかになりAC2/6刺激薬:6-[N-(2-isothiocyanatoethyl1)aminocarbonyl]forskolin(FD1)が内膜肥厚を生じさせず血管拡張作用を認める事が示唆された。ラット動脈管器官培養でFD1では肥厚を認めなかった。ラット新生仔の腹腔内にFD1および現在使用されている治療薬であるPGE1を投与し、それぞれの持続時間はFD14時間、PGE1は2時間であった。23年度は引き続き、ラット新生仔へFD1およびPGE1を投与し比較検討を行った。PGE1は生後30分まで最大の血管拡張作用を示すのに比してFDは生後2時でPGE1と同様の血管拡張を得、生後4時間ではさらなる血管拡張が得られた。この事によりFD1は長時間作用し、かつ、PGE1より拡張作用が大きい事が示唆された。また10mg/kgで血管拡張作用が大きく至適濃度と考えた。PGE1の最大の副作用である無呼吸はFD1では認められなかったが、他の臓器への作用は今回明らかに出来ず、今後の課題である。
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