2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591424
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
高屋 淳二 Kansai Medical University, 医学部, 講師 (80247923)
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Keywords | 遺伝子 / 環境 / 生理学 / 病理学 |
Research Abstract |
1成熟雌ラットが低マグネシウム食で受ける影響 マグネシウム欠乏ラットとしてWistar系雌性ラット10個体(12週齢)に14日間マグネシウム欠乏飼料で飼育したものを用いた。飼料、飲水量はともに自由摂取とした。体重、血圧、脈拍を測定後、肝臓からmRNAを抽出し、グルココルチコイド関連遺伝子として、グルココルチコイド受容体(GR)、11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 2(11β-HSD2), peroxisome proliferators activated receptor α(PPARα), phosphoenolpyruvate carboxykinase(PEPCK)のmRNA特異的プライマー対を用いてリアルタイムPCRを行った。内部標準としてGAPDH-RNAも測定し、各mRNA量を補正した。 【結果】マグネシウム欠乏により体重増加は抑制された(p<0.01)。心拍数は有意に増加したが(p<0.01)、収縮期、拡張期とも血圧に有意差はなかった。マグネシウム欠乏群では血糖値に差がないにもかかわらず、血清インスリンは有意に上昇した。血清のアディポカイン(レプチン、アディポネクチン)には対照と差はなかった。マグネシウム欠乏ラットでPEPCKのmRNAは有意に低下した。一方、GR、PPARα,11β-HSD2のmRNAの発現に低マグネシウム食は影響を及ぼさなかった。 2母体獣がマグネシウム制限を受けた場合の胎児への影響 次いで、母体がマグネシウム欠乏になった場合の胎児に対するエピジェネティクス作用をみるために、以下の実験をおこなった。 雌Wistarラット9週齢を2群に分け、飼料のマグネシウム含量を制限した群(MgR群)と、対照群(C群)とした。正常雄ラットと生後12週に交配させ、妊娠中も各群の食事を継続した。21日生日における仔の体重は、MgR群で有意に小さかった(MgR群;17.2±0.7g、C群;30.8±0.6g、p<0.001)。各群21日生日に、仔の肝臓を採取し、-80℃に保存した。冷凍保存した肝臓からDNAを抽出し、EZ DNAメチレーションキット(Zymo Research)を用いてバイサルファイト(Bisulfite)処理を行った。処理後のDNAを個別にPCR法で増幅した。GR、PPARα、11β-HSD2の各DNAのメチル化をパイロシーケンス(リアルタイムシーケンシング)法で測定した。GRの4箇所、PPARαの6箇所のCpGサイトを解析した。PPARαおよびGRにおけるメチル化には、両群に差がなかった。
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