2010 Fiscal Year Annual Research Report
ダーモスコピーと遺伝子発現解析による皮膚腫瘍の非侵襲的術前迅速診断法の開発
Project/Area Number |
21591428
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
斉田 俊明 信州大学, 医学部, 名誉教授 (10010381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 康文 信州大学, 医学部・附属病院, 助教 (60467181)
古賀 弘志 信州大学, 医学部・附属病院, 助教(特定雇用) (30419361)
横川 吉晴 信州大学, 医学部, 准教授 (50362140)
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Keywords | ダーモスコピー / 多変量解析 / デンドログラム / メラノーマ / 色素細胞母斑 / 基底細胞癌 / 脂漏性角化症 / 汗孔腫 |
Research Abstract |
メラノーマ48例、色素細胞母斑102例、基底細胞癌109例、脂漏性角化症73例、汗孔腫21例について詳細なダーモスコピー所見を調べた。その結果を基に各所見をパラメータとして疾患ごとに多変量解析を行い、導きだされたデンドログラムから各疾患の診断に有用なダーモスコピー所見を選択した。ダーモスコピー所見解析に使用した症例とは異なる病理検体を用いて、各腫瘍におけるPCRマーカー(MART-1,MAGEA3,FABP7,Gli-1,GPR49,KRT1,KRT5,CD10,VEGF,CXCR4;P27KIP1,P53,GAPDH)の発現を調べた。メラノーマ50例、色素細胞母斑16例、基底細胞癌25例、脂漏性角化症3例、汗孔腫3例、正常皮膚23例についてPCRマーカー出現の有無について検討を行った。まず、PCRマーカーごとにカットオフ値を設定した後に、疾患ごとの出現頻度を検討し有用なマーカーを特定した。なお、検体採取に際しては臨床現場における現実的な手技としてNeedle Biopsyに準じた方法を採用した。現時点における結果解析からは、従来から報告されている疾患特異的ダーモスコピー所見は、多変量解析の結果においても鑑別に有用な所見であることが示され、PCRマーカーについても、明らかな疾患特異性の存在が示唆された。以上の検討から導きだされた、鑑別に有用なダーモスコピい所見とPCRマーカーをともに項として含む多変量解析を行い、結果についての臨床的意義を検討している。特に、特定のダーモスコピー所見とPCRマーカーの出現についての関連性が統計学的に示されていないかについて慎重に検討を行なっている。
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