2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591437
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古江 増隆 九州大学, 医学研究院, 教授 (70134583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 正和 九州大学, 大学病院, 講師 (20398093)
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Keywords | 皮膚悪性腫瘍 / CD10 / Snail / EMT / 線維芽細胞 / SATB1 / アルギナーゼ |
Research Abstract |
皮膚腫瘍における皮膚病理学的検討を行い、新たなバイオマーカーが発掘された。 Eカドヘリンは腫瘍の浸潤、転移に重要とされるepithelial-mesenchymal transition (EMT)において発現が低下するが、その発現抑制因子であるSnai1とSlugに着目した。皮膚腫瘍(脂漏性角化症、日光角化症、ボーエン病、皮膚有棘細胞癌)と正常皮膚における発現を免疫染色にて検討したところ、有棘細胞癌、特に低分化型ではSnai1とSlugの発現する細胞数が増加していたが、それと逆相関してEカドヘリンの発現が低下していることが判明した。このことから皮膚表皮細胞由来の腫瘍においてもSnai1とSlugがEMTの誘導に強く関与していることが示唆された。この成果はJournal of cutaneous pathologyに投稿中である。 また、Special AT-rich sequence-binding proteir-1 (SATB1)は乳癌などいくつかの悪性腫瘍で浸潤や転移に関わる多数の遺伝子を制御しうるタンパクであることが近年報告されており、高発現している場合は予後が悪いとされる。我々は97例の皮膚悪性黒色腫において免疫染色でSATB1発現を検討し、予後との関連を検討した。その結果、悪性黒色腫では正常皮膚や色素性母斑と比較して有意に高くSATB1が発現していた。さらにSATB1陽性細胞数は予後の悪さと相関し、独立した予後因子であることが判明した。この成果はJournal of dermatological scienceに掲載された。 その他、悪性腫瘍に関するいくつかの英文論文を学術雑誌に掲載した。
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