2009 Fiscal Year Annual Research Report
CD147/Basiginを標的とした新たな皮膚癌治療戦略の構築
Project/Area Number |
21591438
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
金蔵 拓郎 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70177509)
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Keywords | 皮膚腫瘍学 / CD147 / Rasigin |
Research Abstract |
CD147/basiginが皮膚癌の増殖、浸潤・転移および薬剤多剤耐性に果す役割を解明し、これらの作用に対する解糖系の関連を明らかにし、皮膚癌の新たな治療戦略の構築に必要な基礎的知見を得ることを目的に本研究を計画した。21年度の研究計画はCD147/basiginノックダウン細胞株を樹立し、CD147/basiginを発現している皮膚癌細胞株(Bsg(+)細胞)とノックダウンした皮膚癌細胞株(Bsg(-)細胞)における増殖能、浸潤能、多剤耐性形質の比較である。 ヒト悪性黒色腫細胞株であるA375細胞を用いてCD147/basigin-siRNAをトランスフェクトし、Bsg(-)A375細胞株を樹立した。頭頚部扁平上皮癌細胞KBと抗癌剤耐性株であるKB/Vこの細胞を用いて以下の結果を得た。 (1) Bsg(+)A375細胞ではBsg(-)A375細胞と比較して、増殖能が有意に高かった。 (2) Bsg(+)A375細胞ではBsg(-)A375細胞と比較して、マトリジェル中の浸潤能が有意に高かった。 また頭頚部扁平上皮癌細胞KBと抗癌剤耐性株であるKB/Vこの細胞を用いて以下の結果を得た。 (1) KB/V細胞ではKB細胞と比較してCD147/basiginが高発現していた。 (2) Bsg(-)KB/V細胞ではKB/V細胞と比較してビンクリスチンと5-Fuに対する感受性が亢進した。 以上の結果は、CD147/basiginが癌の増殖、浸潤および薬剤多剤耐性に関与していることを示している。
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Research Products
(12 results)