2010 Fiscal Year Annual Research Report
血管型エーラス・ダンロス症候群本邦例のCOL3A1変異と臨床症状重症度との相関性
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21591442
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
籏持 淳 獨協医科大学, 医学部, 教授 (90172923)
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Keywords | エーラスダンロス症候群 / 血管型 / III型コラーゲン / COL3A1 / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
血管型Ehlers-Danlos症候群(EDS)(MIM130050)は動脈,消化管,妊娠中の子宮の破裂など突然死をもきたしうる重篤な合併症をもつ最重症型EDSで,常染色体優性遺伝性疾患である.III型コラーゲンは少量成分としてI型コラーゲンと共存して多くの組織に分布し,血管壁,皮膚,さらに消化管などの臓器に特に多く存在するが,この血管型EDSはIII型コラーゲン遺伝子(COL3A1)の変異によりIII型コラーゲン分子の異常をきたし発症する.今回,我々は当教室で解析を行った本邦の血管型EDSのCOL3A1の遺伝子変異,臨床所見および培養線維芽細胞のIII型コラーゲン産生能について検討した.まずRT-PCRによってCOL3A1のcDNAのtriple-helixに相当する部位(3212bp)のシークエンスを解析し,変異が検出された場合に,さらにそれに相当あるいは関連する変異をgenomic DNAで解析した.これまでに血管型22例を遺伝子診断しえた。欧米に比べてスプライス変異が多い傾向にあった(11/22)。症例数が少ないためバイアスがかかっている可能性があり、より多数例を検討する必要がある。また、重症合併症の頻度が低い傾向にあったが、診断年齢が低いためである可能性がある。今後合併症の出現が増加することが懸念され、患者・主治医への指導が重要と考えられた。
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Research Products
(10 results)