2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591444
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松崎 ゆり子 Keio University, 医学部, 助教 (40255435)
|
Keywords | メダカ / 遺伝子導入 / 癌モデル生物 |
Research Abstract |
癌モデル動物として安定的に腫瘍を生じるメダカ系統を樹立するため、色素細胞特異的遺伝子チロシナーゼのプロモーター下流に癌遺伝子を結合したDNAをメダカ1細胞期胚に導入することで悪性黒色腫形成の惹起を試みた。癌遺伝子としてはヒトc-MycとヒトBRAF^<V600E>を選択した。野生型メダカH1bRHiおよびCab系統で各々50-100の胚にマイクロインジェクションを行い、成魚まで生育したG0個体と野生型との交配により得られたF1でゲノム内への導入を確認し、F1同士を交配した。その結果トランスジェニック系統としてc-Myc導入個体からは1系統、BRAF^<V600E>導入個体からは3系統が得られ、解析に用いた。全てのBRAF^<V600E>導入系統で筋肉組織内に腫瘍が形成されている個体が得られた。体表に変異のないc-MycとBRAF^<V600E>個体も、組織切片のHE染色・免疫染色により、肝臓、腎臓、脾臓、腸上皮などの細胞に腫瘍形成が見られた事から、c-Myc、BRAF^<V600E>の導入単独で腫瘍を形成するメダカを作製できたと考えている。p53変異系統にBRAF^<V600E>を導入した系統では、筋肉組織や臓器に高頻度に腫瘍形成が見られ、生育能は著しく低く、産卵数、受精率、孵化率、成魚個体寿命の全てにおいて低下しており、実験系に用いるのは困難であった。また、c-MycもしくはBRAF^<V600E>のホモ接合体も生育可能であったが、系統維持が著しく困難であったため、現在、Cre-loxシステムによる条件発現系を用いて、生育能が比較的高く実験に使用しうるヒトc-Myc^+系統およびヒトBRAF^<V600E>系統の作製を試みている。
|
Research Products
(1 results)