2010 Fiscal Year Annual Research Report
メラノーマ特異的血清バイオマーカーの同定とその臨床応用
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21591451
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
秋山 靖人 静岡県立静岡がんセンター(研究所), 免疫治療研究部, 部長 (70222552)
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Keywords | プロテオーム / バイオマーカー / 免疫学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々が新規のメラノーマバイオマーカー候補として同定したPro-platelet basic protein precursor(PPBP)に対する抗体を作成し、臨床応用に向けた測定系(ELISA)の開発を目指すことである。これまでにPPBPタンパクを用いて抗原感作を行ったマウスにおいてGST-PPBPに対する血清抗体価の上昇が見られ、作成したハイブリドーマの中からPPBPタンパクと親和性があると思われる3クローンを得た。この中でPPBPタンパクに対するELISAで最も結合の強かったクローン(IgM抗体、Kd : 2.83×10^<-8>)につき測定系の構築を行ったが、十分な感度が得られなかった。その後完全フロイドアジュバンドを用いた変法にてマウスへの免疫を再度施行し、ELISA法にてPPBPタンパクに対する結合活性をもつ数十クローンのハイブリドーマが作成されており、今後感度の高い測定系の構築をめざしてビアコア等でのスクリーニングを行う予定である。一方で既存のPPBPに対するモノクローナル抗体を組み合わせたELISA系の構築を試みた。市販のマウス抗ヒトPPBPモノクローナル抗体とウサギ抗ヒトPPBPポリクローナル抗体を組み合わせたサンドイッチELISA法では、1ng/mlのPPBP濃度を検出可能であった。メラノーマ患者31症例中4μg/mlをカットオフとすると24症例でPPBPが検出され、血漿中の平均値は、メラノーマ10.1μg/ml、健常人1.7μg/mlであった。測定系の感度は77.4%、特異性は90.0%であった。また本ELISA系を利用してメラノーマ以外の大腸がんや脳腫瘍患者の血漿中のPPBPを測定するも、健常人と差は見られなかった。本年度中は、PPBPに特異的なハイブリドーマの作成には至っていないが、既存の抗体を組み合わせたELISA系にて血漿中のPPBPが測定可能であり、メラノーマに特異的に検出されることが見出された。
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