2009 Fiscal Year Annual Research Report
強皮症の病態におけるICOSとICOSLの役割の解明と治療への展開
Project/Area Number |
21591456
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長谷川 稔 Kanazawa University, 附属病院, 講師 (50283130)
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Keywords | ICOS / ICOS ligand / 線維化 / 強皮症 / ブレオマイシン / サイトカイン / マウス |
Research Abstract |
ICOS欠損マウス、ICOSL欠損マウス、ICOSとICOSLの両方を欠損したマウスにブレオマイシンの投与による皮膚や肺の線維化を誘導した場合、ICOS欠損マウスでは皮膚や肺の線維化が軽減、ICOSL欠損マウスとICOS/ICOSLの二重欠損マウスでは増悪した。また、各系統の生存期間は、肺の重症度と相関した。これらの線維化の程度は、肺や皮膚の組織におけるコラーゲン量やマクロファージ、T細胞、好中球などの細胞浸潤の程度と相関した。病変部にはICOS発現T細胞やICOSL発現マクロファージ、ICOSL発現B細胞の浸潤がみられ、ICOS欠損マウスではICOSLが著明に高発現、ICOSL欠損マウスではICOSが有意に高発現していた。組織中における炎症や線維化に関与するサイトカイン、ケモカイン、成長因子の濃度やmRNAの測定では、ICOS欠損マウスでは概して減少、ICOSL欠損マウスとICOS/ICOSLの二重欠損マウスでは増加していた。このことから、ICOSLの発現量は、線維化や炎症の重症度と負の相関を示すことが明らかとなった。以上より、ICOSLの発現はブレオマイシンによる線維化の過程で、抑制性の働きを有することが示された。
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