2009 Fiscal Year Annual Research Report
表皮を免疫調整臓器とする新規アレルギー疾患治療の開発
Project/Area Number |
21591461
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
水谷 仁 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (30115737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 恵一 三重大学, 医学部付属病院, 講師 (70314135)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / サイトカイン / IL-4 / IL-13 / DNAワクチン |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎ではTh1・Th2タイプのサイトカイン環境が局所あるいは全身的なTリンパ球を介した免疫不均衡を引き起こし病状を形成すると考えられているが特にTh2サイトカインが優位な状況である。申請者らは代表的なTh2サイトカインであるIL-4とIL-13のシグナルを阻止できる方法の検索を行っている。本研究の一環としてシグナル非伝達型変異IL-4/IL-13分子のDNAワクチンを用いてアトピー性炎症の抑制効果を得、これを発表した(Br J Dermatol.160 1172, 2009)。ドミナントネガティブタイプのIL-4/IL-13分子であるが、両者のシグナルを遮断することにより、Th2タイプサイトカインを抑制しTh1サイトカイン(IFN-g)産生を増加させ好酸球やヒスタミンレベルを抑制し、結果臨床所見の改善を認めた。この様にIL-4/IL-13のシグナル抑制の重要性が証明できた。 根治を目的とした場合、量質共に安定し持続的な蛋白の発現が必要である。持続的なIL-4/IL-13シグナルの抑制の方法として表皮細胞を産生の場とした分泌型ドミナントネガティブIL-4/IL-13分子によるアトピー性皮膚炎治療の樹立のために研究を行っている。同遺伝子産物の最も確実な表皮からの分泌システムとして、申請者らは分泌型ドミナントネガティブIL-4/IL-13分子を皮膚特異的に発現させたモデルマウスの作成に成功し、現在系統樹立中を行っており、これを用いて炎症抑制の効果を解析する予定である。
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