2011 Fiscal Year Annual Research Report
表皮を免疫調整臓器とする新規アレルギー疾患治療の開発
Project/Area Number |
21591461
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
水谷 仁 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30115737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 恵一 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70314135)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / サイトカイン / Th2 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
アトピー性疾患ではTh1・Th2タイプを含む複数のサイトカインが局所あるいは全身的なTリンパ球を介した免疫不均衡を引き起こし病状を形成しているが、特にTh2サイトカインが優位な状況である。申請者らは皮膚を免疫調整物質の供給源とすることによる疾患の改善を目標とした。その1つとしてTh2サイトカインIL-4とIL-13のシグナルを阻止できる方法の検索を行ってきた。根治を目的とした場合、量質共に安定し持続的な蛋白の発現が必要である。持続的なIL-4/IL-13シグナルの抑制の方法として変異型,IL-4/IL-13蛋白を皮膚特異的に発現させたモデルマウスの作成を行ったが、このマウスでは耳の腫脹は正常マウスに比して軽減され、接触過敏症の早期病変を抑制することが可能であった。この変異型IL-4/IL-13マウスの皮膚を正常マウスに移植した後、同様の抗原刺激を与えると、早期の炎症が軽減し皮膚ではIL-4/13の細胞内伝達物質のメッセージも軽減していた。 本研究はTh2優位のアトピー性皮膚炎に対して、皮膚を治療用変異型サイトカイン産生の場とし利用し治療に応用しようとするものである。炎症の場に持続的に安定した量のシグナル非伝達型変異IL-4/IL-13遺伝子産物を供給するが、この皮膚を治療用ペプチド産生の場とした方法は皮膚疾患に止まらず、喘息・アレルギー性鼻炎を含めた各種全身性疾患の治療への応用も視野に入れ、新しい診断・治療法開発の基礎技術として有用性が期待される。
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Research Products
(4 results)