2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591467
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
中島 喜美子 Kochi University, 教育研究部・医療学系, 講師 (20403892)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高石 樹朗 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (10303223)
佐野 栄紀 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (80273621)
三好 研 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (20274392)
|
Keywords | 乾癬 / Th17 / モデルマウス / Stat3 |
Research Abstract |
〈具体的内容〉 1)乾癬モデルマウス(K5,Stat3C)においてTPA(12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate)の反複塗布によって乾癬様皮疹を誘導し、mRNAを抽出し、Real-time RT-PCRを施行した。この乾癬病変においては、IL-23,IL-17A,IL-17F,IL-22などのTh17に関与したサイトカインの高発現およびb-defensin(BD)3,BD4,S100A8,S100A9などの抗菌ペプチドの高発現を認め、Th17が重要な役割をしていることが示唆された。この結果は、ヒト乾癬病変の同様の検討結果と非常に類似しており、ヒト乾癬におけるTh17の役割を検討するために優れたモデルマウスであることが示唆された。2)乾癬モデルマウスにTPAを塗布する病変部において免疫染色を施行し、真皮上層に、IL-17、CD4の両者が陽性細胞、いわゆるTh17細胞を検出することができた。3)Th17はIL-23によって成熟、増殖し、Th17が乾癬の病態形成に関わるため、抗IL-12/23p40抗体が治療薬として用いられている。我々は、抗マウスIL-12/23p40抗体を乾癬モデルマウスに投与したところ、ヒト乾癬同様、皮疹誘導を完全に抑制することを確認した。IgGを投与したコントロール群と比較すると、IL-23,IL-17A,IL-17F,IL-22,IL-20,BD3,BD3,S100A8,S100A9の発現は著明に抑制されていた。 〈意義〉この乾癬モデルマウスの乾癬病態の成立にはTh17が重要な役割をしていることが示唆され、ヒト乾癬との類似性を確認した。このマウスを用いることにより患者では施行できない乾癬の発症メカニズムの詳細な解明および現在乾癬治療薬として注目される様々な生物学製剤の効果の検定も可能であると考えられる。
|
Research Products
(3 results)