2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591469
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 伸一 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 教授 (20215792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 文秀 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10333519)
吉崎 歩 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (40530415)
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Keywords | 細胞接着分子 / PSGL-1 / P-selectin / 創傷治癒 |
Research Abstract |
本研究の目的はE,P-selectin、PSGL-1の創傷治癒過程における役割とその相互作用を明らかにすることである。 本年度は、PSGL-1ノックアウト(PSGL-1-/-)マウス、P-selectin-/-マウス、E-selectin-/-マウスの皮膚に6mm径のパンチバイオプシーを用いて創を作成し、(1)創面積、(2)上皮間距離、(3)肉芽組織の面積、(4)血管密度をパラメータとして創傷治癒過程を評価した。受傷3日後の創面積は、P-selectin-/-マウス、PSGL-1-/-マウス、およびP-selectin-/-マウスに抗E-selectin抗体を投与したマウスにおいて野生型マウスと比較して有意に増加していた。E-selectin-/-マウスと野生型マウスの間に有意な差は認められなかった。これらの差は受傷7日後には認められなかった。同様の創傷治癒遅延は、上皮間距離でも認められた。一方、受傷3日後の肉芽組織の面積については、PSGL-1-/-マウス、およびP-selectin-/-マウスに抗E-selectin抗体を投与したマウスにおいて野生型マウスと比較して有意に減少していた。E-selectin-/-マウス、P-selectin-/-マウス、および野生型マウスの間には差は認められなかった。受傷7日後の肉芽組織の面積は、PSGL-1-/-マウスおよびP-selectin-/-マウスに抗E-selectin抗体を投与したマウスにおいて野生型マウスと比較して有意に減少していた。さらに、受傷3日後の血管密度については、P-selectin-/-マウス、PSGL-1-/-マウスおよびP-selectin-/-マウスに抗E-selectin抗体を投与したマウスは野生型マウスと比較して有意な減少を示した。同様の傾向は受傷7日後の血管密度についても認められた。 このように、主としてPSGL-1とP-selectinは創傷治癒過程に関与していることが明らかとなった。
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