2010 Fiscal Year Annual Research Report
血小板を介する皮膚の炎症反応の制御・収束機構の解明
Project/Area Number |
21591472
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 則人 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (30244578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 純 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (50438222)
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Keywords | 血小板 / 接触過敏反応 / 炎症の収束 / リンパ管 / 白血球遊走 |
Research Abstract |
皮膚炎の進展にともなう白血球の皮膚組織への浸潤動態と機能への血小板の役割[研究代表者が大学院生1名とともに遂行] 1) 血小板減少マウスと血小板正常マウスにおいて、ハプテンによる接触皮膚炎の惹起後、経時的に皮膚組織への白血球の浸潤動態をレーザー顕微鏡を用いて比較検討を行ったところ、血管内において、血小板は活性化するとともに白血球と複合体を形成すること、白血球とともに組織に遊走すると、速やかに白血球内に取り込まれることが明らかになった。また、CD11b+Gr-1+の白血球の浸潤も血小板減少マウスでは減少していた。 皮膚炎の進展に伴う皮膚組織へのマクロファージの遊走とリンパ管内皮細胞への分化における血小板の役割[研究代表者と研究分担者が遂行] 1) 血小板減少マウスと血小板正常マウスにおいて、接触皮膚炎の惹起後、経時的に皮膚組織でのリンパ管新生度およびマクロファージのリンパ管への分化の程度を、LYVE-1、 prox-1の免疫染色と画像処理による定量評価およびF4/80の二重蛍光免疫染色により、アトピーマウスと血小板減少アトピーマウスでそれぞれ比較検討したところ、血小板減少マウスではリンパ管新生の度合いが少ないことが明らかになった。 これらのことから、接触皮膚炎において、血小板は末梢血中で活性化して白血球の組織への遊走に関わることとともに、リンパ管新生に必要なマクロファージの真皮への遊走にも重要な役割を有し、炎症の惹起とともに、収束にも関与していることが推測された。
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