2010 Fiscal Year Annual Research Report
毛髪を成長・維持させる重要遺伝子のノックダウンマウス作製による網羅的同定
Project/Area Number |
21591474
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渋谷 和憲 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90296723)
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Keywords | 毛包 / miRNA / ノックダウンマウス / 毛周期 |
Research Abstract |
毛髪は毛周期(成長期→退行期→休止期)により、成長・脱毛のサイクルを繰り返す組織である。研究代表者は、これまでに成長期マウスの背部皮膚と退行期・休止期マウスの背部皮膚を用いてマイクロアレイ解析を行い、成長期に強く発現する2,480個の遺伝子を同定した。しかしこれらの解析結果は毛周期のある時期に優位あるいは特異的に発現している遺伝子の同定にすぎず、これらの遺伝子が毛髪の成長・維持という表現型に直接関わる機能を毛包で果たしているかどうかは不明である。そこで本応募研究課題ではmiRNAを発現するノックダウンマウスを作製することによって、マイクロアレイ解析で得られた成長期に優位に発現している遺伝子の発現を抑制することによって、その遺伝子が毛髪の成長・維持に直接関与するかどうかを評価する系の確立を目指している。まず、毛包組織で特異的に発現する遺伝子のプローモーター領域を5ヶ所選別し、PCR法によりDNA断片を増幅しクローニングを行った。3ヶ所はクローニングに成功したが、残りの2ヶ所はクローニングの結果配列が欠失しており、クローニングは困難と判断した。3ヶ所のプロモーターの下流にmiRNAを発現させるためのDNA断片をつないで毛包細胞特異的なmiRNA発現ベクターの構築を行い、実際に数種のトランスジェニックマウスの作出に成功したが、これらのマウスの毛に関する目立った表現型の変化は見られなかった。これらのマウスについてmiRNAの発現および標的遺伝子の抑制効果の検討、さらに新しいmiRNA発現ベクターの構築およびトランスジェニックマウスの作出を今後も推し進めていく必要がある。
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