2010 Fiscal Year Annual Research Report
海馬におけるストレス応答機構に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
21591481
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
車地 暁生 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (00251504)
|
Keywords | 海馬 / 遺伝子発現 / ストレス / コルチコステロン / DNAアレイ / RT-PCR / 行動量 / マウス |
Research Abstract |
副腎摘出マウスを用いて、Novelty stress負荷実験を行い、その海馬の遺伝子発現量の測定、行動測定および血中コルチコステロンの測定を行い、偽手術マウスの測定結果と比較検討した。この結果にもとづいて、ストレス負荷によって上昇する血中コルチコステロンが、海馬の遺伝子発現量や行動に、如何なる影響を受けるかについての検討を行った。特に、本年度の研究においては、DNAマイクロアレイ法(Aginent Expression Array)を用いて、コルチコステロンによって遺伝子発現量が変化する遺伝子とコルチコステロンとは無関係に遺伝子発現量が変化する遺伝子について,先行研究でその情報を得ている以外遺伝子についてもスクリーニングを行い、これら候補遺伝子については、さらに、多数個体のサンプルを用いて、RT-PCR法を用いた定量実験を行い、統計学的解析を行った。ストレスによるコルチコが少なくとも、6種類(IGF2, Zic1, Msx1, Msx2, Clic6, Otx2)あることが、DNAアレイによる研究結果からわかった。これを、定量的RT-PCR法によって、確認したところ、Msx1は副腎摘出マウスでは、偽手術マウスで見られた海馬における遺伝子発現量の増加が起きないことがわかった。また、Egr2は、副腎摘出術の影響を受けることなく、その発現量がストレスによって、増加することが新たにわかった。このMsx1とEgr2の結果は、統計学的解析によって支持された。
|
Research Products
(5 results)