2009 Fiscal Year Annual Research Report
セリン生成関連遺伝子PSAT1の機能解析による統合失調症の病態解明と治療法の開発
Project/Area Number |
21591492
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
尾關 祐二 Dokkyo Medical University, 医学部, 准教授 (90303768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 久彌子 獨協医科大学, 医学部, 講師 (70314151)
下田 和孝 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30196555)
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Keywords | 統合失調症 / PSAT1 / L-セリン / D-セリン / グルタミン酸 / 染色体均衡転座 |
Research Abstract |
これまでに染色体均衡型相互転座46,XX,t(3;9)(q13.12;q21.31)を持つ統合失調症患者及び同一の転座を持つ息子(失調型パーソナリティ障害)を見出している。2名から作成されたリンパ芽球の解析より、9番染色体上転座点のセントロメア側50kb付近にL-セリンの生合成に必要な酵素の一つであるPSAT1が認められた。染色体構造異常を持つ2名ではmRNAの発現量解析で、PSAT1の転写量が減少していることが見出され、同時に血中L-セリン濃度及びグルタミン酸濃度が低下していた。さらに、一般統合失調症患者由来リンパ芽球では、一部にPSAT1の発現が異常に高い群と低い群があることを見出した。こうした結果に引き続き、一般的な統合失調症患者のPSAT1活性、血中L-セリン濃度測定などから、一部統合失調症患者の診断やL-セリン投与などの治療法の開発への手掛かりが得ることを目的に研究を進めている。現在PSAT1酵素の活性測定が行える状況となり、検体の収集および測定を行っている。現時点ではまだ一定の方向性はみられていないが、次年度に検体集を進めてゆくことで、一定の結果が得られるものと考えている。また、PSAT1の分子生物学的な機能と疾患発症の関連を詳細に検討する目的での解析も開始している。現在イースト2ハイブリッド法を用いてPSAT1の酵素活性を調節する分子の検索を行っており、分子が特定されつつある。 こうした研究の進展は、統合失調症の分子病態解明から診断や治療法の開発へつながってゆくことが期待され、疾患克服につながるという意義があり、重要なものであると考えられる。
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Research Products
(4 results)