2009 Fiscal Year Annual Research Report
気分障害の自殺リスク評価における光トポグラフィの実用化
Project/Area Number |
21591503
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
亀山 正樹 Gunma University, 医学部, 助教 (00455982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 正人 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20221533)
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Keywords | 自殺 / 気分障害 / NIRS / うつ病 / 脳画像 |
Research Abstract |
本研究は、気分障害における自殺リスクの評価法を、非侵襲的で時間分解能に優れた脳機能画像検査である近赤外線スペクトロスコピーnear-infrared spectroscopy NIRSを用いることで、脳機能動態の観点から確立することを目的とする。本研究では、これまでわれわれがおこなってきた精神疾患に対してのNIRSをもちいた研究成果にもとづいて、(1)気分障害の自殺リスクを評価するためのNIRS検査法を確立する、(2)その検査法を用いて気分障害における自殺に関連した脳機構を解明する、(3)そうした結果にもとづき自殺の予防および危険者への介入を図る具体的な方法を検討する、の3点を目標とするものである。 今年度は、うつ病・双極性障害の患者28名を対象としたNIRS検査の検討を予備的におこなった。得られたデータについて脳賦活反応性の特徴を比較し、また、HAM-D(うつ状態)・Young(躁状態)などの臨床症状評価尺度で測定した精神症状評価尺度と、NIRSデータとの関連を検討し解析をおこなった。うつ病患者と双極性障害患者では課題中の脳賦活反応性のパターンが異なり、また、うつ状態の臨床尺度との関連を一部のチャンネルで認めた。このようにNIRSで得られた脳賦活反応性のパターンにより、気分障害患者の病態や症状を客観的に評価できる可能性が示唆された。自殺との関連については、既往や負因などについて解析を継続しておこなっている。今後は症例を増やすとともにこれらの成果を参考にして、さらに気分障害の高致死性自殺企図群と低致死性自殺企図群とを比較検討を進める予定である。
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Research Products
(5 results)