2011 Fiscal Year Annual Research Report
双極スペクトラム概念の検証・再構築とうつ病への臨床応用
Project/Area Number |
21591523
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
寺尾 岳 大分大学, 医学部, 教授 (80217413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 隆 大分大学, 医学部, 講師 (60284791)
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Keywords | 気質 / 双極スペクトラム / 双極性障害 |
Research Abstract |
1健常者を対象に所定の質問紙(Temperament Schedule of Memphis, Pisa, Parisand San Diego : TEMPS)を用いて気質を評価し、行動科学的にアクチグラムを用いて連続した1週間の活動性と睡眠・覚醒リズムおよび光曝露量を調査し、さらに神経内分泌的負荷試験を行うことで中枢セロトニン神経機能を推定した。その結果、発揚気質者は光を有意に多くあびており、睡眠時間の日間変動が有意に大きく、中枢セロトニン機能が有意に低いことが明らかになった(Hoaki et al, 2011)。逆に、循環気質者は光を有意にあびていなかった(Araki et al, 2011)。さらに、これらの健常者を対象に、brain-derived neurotrophic factor, glycogen synthase kinase 3, Wnt signaling pathwayの遺伝子多型を調べ、これらの多型と発揚気質には相関がないことを確かめた(Tsutsumi et al, 2011)。さらに、双極スペクトラム障害の病前気質として重要視されている発揚気質とタイプA行動パターンの関連を明らかにし(Wang et al, 2011)、双極気質の組み合わせにより生活の質や社会適応が低下することを示した(Takai et al, 2011) 2双極スペクトラムの診断・治療に関して、気分障害の患者に対し、循環気質や発揚気質の評価などを詳細に行い、とくに大うつ病性患者がAkiskalのII1/2型以降の双極スペクトラム障害に該当するか検討した。大うつ病性障害患者の中での双極スペクトラム障害の有病率を推定し、双極スペクトラム障害(+)群と(-)群の2群に分類し、それぞれの患者背景やそれまでの投薬内容、抗うつ薬に対する反応性を調査した。その結果、双極スペクトラム(+)群の方がリチウムによる寛解率が有意に高く、SSRIによる寛解率は低い傾向にあった(Goto et et, 2010)。
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Research Products
(16 results)