2010 Fiscal Year Annual Research Report
衝動性評価は重症度評価を超える双極性障害自殺予測因子となり得るか?
Project/Area Number |
21591528
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
小瀬 朝海 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10405425)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 和弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40215984)
鵜飼 聡 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80324763)
辻 富基美 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10347586)
上山 栄子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40405444)
正山 勝 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70364081)
|
Keywords | 衝動性 / NIRS / 前頭部 / 自殺予防 |
Research Abstract |
衝動性についての調査を継続している。これまで、健常者と各種精神疾患について、BIS-11(Barratt Impulsivity Scale)を用いて、調査をした。衝動性は、これまでの病変研究、画像研究で前頭葉と関連が強いことがわかっている。衝動性は、健常者にでも、ばらつきが大きい。そこで、前頭部の血流反応を測定できるNIRS(Near-Infrared Spectroscopy)を用いて、衝動性と前頭部の血流反応について調査した。 方法:健常者50人(男性27人/女性23人 平均年齢26.5±2.6歳 平均学歴18.18±0.77年)を対象とした。精神科既往歴、常用薬のある者は除外した。衝動性の評価BIS-11を用い、total score以外に、下位項目であるAttentional(注意)Motor(運動)、non-planning(無計画)について調査した。脳血流反応は、言語流暢性課題施行中の血流反応NIRSで測定した。 常用薬のある者、精神疾患の既往のある者などは除外した。 BIS-11(totalとattentional)と前頭部の血流反応は、有意な負の相関を示した。 特に、上前頭回においては、強い相関を示した。 側頭部では、有意な相関は認められなかった。 つまり、衝動性が高い人は、脳血流反応が少ないことがわかった。 これまでの画像研究でも、前頭部と衝動性の関連についての報告がある。 これによって、前頭部血流反応は衝動性の生物的指標になる可能性が示唆された。 衝動性は自殺との関連も報告されており、自殺予防の観点からも重要な所見と考えられる。
|
Research Products
(2 results)