2011 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症前駆期における精神症状・社会機能障害と脳基盤の関連についての縦断的研究
Project/Area Number |
21591533
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
水野 雅文 東邦大学, 医学部, 教授 (80245589)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水村 直 東邦大学, 医学部, 准教授 (90287748)
森田 桂子 東邦大学, 医学部, 助教 (20449242)
根本 隆洋 東邦大学, 医学部, 准教授 (20296693)
片桐 直之 東邦大学, 医学部, 助教 (70459759)
|
Keywords | 統合失調症 / 早期発見 / 予防 / MRI / ARMS / 早期精神病 |
Research Abstract |
統合失調症の経過の中で明確な精神病症状が発現する以前の精神病発症危険状態(ARMS)より脳の形態学的変化が生じていることが示唆されている。本研究の目的はARMSから精神病へ移行する際の臨床経過と、その基盤として想定される脳の形態学的変化との関連を調べることであった。具体的には、横断研究として、ARMS群のうち1年以内に発症する群(発症群)と発症しない群(非発症群)の間で、初診時に臨床所見や脳MRIの相違が生じているかを調べた。初診時の二群間の相違は発症の予測因子と考え得る。また、縦断研究として発症群と非発症群の1年間の臨床経過と形態学的変化の相違を調べた。二群間の比較により発症群に特異的な臨床所見や脳の形態学的変化をとらえることができた。 (1)平成23年度までにARMS群41名、健常群16名の検査を終えている。ARMS群41名の内7名(17%)がARMSから精神病へと移行した。 (2)平成23年度は脳MRI拡散テンソール画像をFSL-TBSS(Tract-Based Spatial Statistics analysis carried out with FSL tools)により解析した。同解析により、ARMS群では初診時から、健常者に比較し帯状回、脳梁でFA値が低下していることを認めた。同結果につきSIRSにおいてポスター発表を行った。現在、発症群、非発症群の臨床経過や治療経過の相違に対する考察を加え論文を作成中である。 (3)Atlas based analysisによる解析により非発症群13例と発症群3例の間で嗅内野の体積において1年間で有意な交互作用が生じていることを認め、平成22年度にIEPAでのポスター発表を終えている。平成23年度は、同結果の論文投稿を行っている。さらに、昨年度より増えた症例を加え、脳の形態学的変化と臨床経過との関連につき解析を開始している。
|
Research Products
(8 results)