2009 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症の発症における関連因子ニューロリギン4の役割の研究
Project/Area Number |
21591538
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
正木 茂夫 Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center, 発生障害学部, 主任研究員 (10157175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 英子 愛知県心身障害者コロニー発逹障害研究所, 発生障害学部, 研究助手 (10393141)
中山 敦雄 愛知県心身障害者コロニー発逹障害研究所, 発生障害学部, 部長 (50227964)
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Keywords | ニューロリギン / 酵母ツーハイブリッド / AP-4 / シナプス / 自閉症 / トランスゴルジ / 免疫沈降法 / 遺伝子 |
Research Abstract |
【具体的内容】ニューロリギン4の細胞内ドメインをベイトとした酵母ツーハイブリッド法によりヒト脳cDNA発現ライブラリを検索し得た60余のクローンについて、逐次真核細胞タグ付き発現コンストラクトを作製し、おのおのをニューロリギン4発現プラスミドと共に培養細胞HEK293に導入しタンパク質を発現させた。それらの抽出液について免疫沈降法によりニューロリギン4細胞内ドメインとの結合を調べた。候補としてAP4M1、CADPS2、CNTN2、FMN2、FRMPD2の部分配列cDNAを持つプラスミドについて生成物との結合を確認した。平成21年度は重点的にAP4M1の解析をおこなった。配列を欠失したプラスミドを作成しAP4M1の結合部位を絞り込む試みを行った。AP4M1は453アミノ酸からなるが、1-244と372-453の部分を欠失した生成物でもニューロリギン4細胞内ドメインと結合した。一方ニューロリギン4細胞内ドメインにはソート配列として知られる"YXXΦ"の配列は見当たらなかった。 【意義】われわれがニューロリギン4細胞内ドメインとの結合タンパク質として同定したAP4M1の遺伝子座は、自閉症遺伝子クラスタAUTS1(第7染色体q22.1)に一致する。この領域にはRELN、HOXA1など著名な自閉症感受性遺伝子があり、AP4M1も同様な自閉症感受性遺伝子の可能性がある。 【重要性】AP4M1はクラスリン関連アダプタープロテイン複合体4型(AP-4)の中分子量μサブユニットをコードする。ニューロリギンの細胞内移送の機構は全く明らかになっていないが、アダプタープロテイン複合体AP-4がニューロリギン4と結合し、トランスゴルジ膜からポストシナプス膜への移送を担っているならば、AP4M1による自閉症関連因子ニューロリギン4のシナプス内での量的制御という、新規プロセスの解明が期待できる。
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