2009 Fiscal Year Annual Research Report
マウス躯幹部覚醒イメージング技術の開発と肝薬物動態研究への応用
Project/Area Number |
21591547
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桐生 茂 The University of Tokyo, 医科学研究所, 講師 (20313124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 優介 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (40232566)
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Keywords | 核磁気共鳴画像(MRI) / マウス / 覚醒 / 麻酔 |
Research Abstract |
本研究の目的は麻酔による生理条件への影響を排除したマウス躯幹部覚醒イメージング技術の開発と薬物動態研究への応用であるが、平成21年度は覚醒イメージング技術の開発を行った。MRI撮影ではマウスの固定が必要であり、覚醒下マウスを安全かつ確実に固定する固定法を検討した。検討の結果、テープを用いた2名の実験者による方法を適切な固定法である決定した。この方法では1名の実験者が用手的にマウスを固定している間に,もう1名の実験者が短時間にテープを用いてマウスの固定を行う。この固定によりマウスの体動を抑制することができ,MRI撮影において腹部臓器の動きによる影響の少ない画像のイメージングが可能であった。約1時間の長時間持続的固定も行え,長時間撮影後においてマウスの健康阻害は観察されなかった。決定された固定法を用い,マウスの直腸温変化を検討した。覚醒固定下のマウス直腸温を熱電対温度計で経時的に60分まで測定を行った。麻酔の影響を検討するために麻酔下マウスの直腸温も経時的に測定した。固定前のマウスの直腸温は約37℃で覚醒固定下マウスでは約30℃まで経時的に体温低下がみられた。麻酔下マウスでは約24℃まで経時的に体温低下がみられ,覚醒固定下よりも体温低下の程度は大きかった。MRI撮像時において使用可能なマウス体温維持装置を開発した。マウスを固定するアクリル板にチューブの装着を行い,チューブに恒温槽で加温した温水を循環させた。このシステムによりアクリル板を一定の温度に維持することができ、固定下マウスの直腸温を平熱に維持することが可能であった。覚醒固定下および麻酔固定下のそれぞれにおいてマウスの直腸温が平熱に保つための設定温度を決定した。このシステムを用い,マウスを加温した状態でMRI撮影が行えること、および加温システムが画像に影響を与えないことを確認した。
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