2010 Fiscal Year Annual Research Report
マウス躯幹部覚醒イメージング技術の開発と肝薬物動態研究への応用
Project/Area Number |
21591547
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桐生 茂 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (20313124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 優介 北里大学, 医学部, 教授 (40232566)
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Keywords | 核磁気共鳴画像(MRI) / マウス / 覚醒 / 麻酔 |
Research Abstract |
本研究の目的は麻酔による生理条件への影響を排除したマウス躯幹部覚醒イメージング技術の開発と薬物動態研究への応用であるが、平成22年度は前年度で確立した覚醒イメージング技術を用い、覚醒下マウスにおける薬物動態について検討を行った。 マウス尾静脈にGd-EOB-DTPAを静注し、静注後60分まで肝臓における薬物動態を観察した。覚醒下マウスにおいては静注後に速やかな肝実質の濃染がみられ、引き続き薬物の肝臓からの排泄が観察された。観察終了後のマウス直腸温は平熱であった。麻酔下マウスにおいては静注後に肝臓において速やかな造影効果がみられたが、薬物の肝臓からの排泄は遅延していた。観察終了後のマウス直腸温に低下していた。覚醒下マウスおよび麻酔下マウスにおける薬物動態のちがいの原因を明らかにするために、覚醒下低体温マウスおよび麻酔下平温マウスにおいて薬物動態の検討を行った。低体温は前年度に確率した恒温槽を用いたシステムにて冷水を循環させて実現した。覚醒下低体温マウスにおいては薬物の排泄遅延がみられ、麻酔下平温マウスでは覚醒下マウスと同様に速やかな薬物排泄が観察された。さらに麻酔下マウスの直腸温を平温から低体温まで4段階に設定を行い、薬物動態を検討した。薬物の肝臓からの排泄は直腸温が低くなるにしたがい遅延した。以上より、薬物の肝動態には麻酔の有無よりも低体温であることが影響をあたえると考えられた。薬物動態はGd-EOB-DTPAに加えICGでも検討可能であったが、MRIにおけるGd-EOB-DTPAを用いた検討においてより詳細に行うことができた。
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Research Products
(2 results)