2009 Fiscal Year Annual Research Report
揺動MRイメージングによる脳局所のバイオメカニクス解析と臨床利用
Project/Area Number |
21591550
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮地 利明 Kanazawa University, 保健学系, 教授 (80324086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間瀬 光人 名古屋市立大学, 医学研究科, 准教授 (60238920)
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Keywords | 医療・福祉 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 磁気共鳴画像(MRI) / バイオメカニクス |
Research Abstract |
本研究は揺動MRイメージング法によって脳局所におけるバイオメカニクスの情報を画像化し,新たな診断情報として利用することを目的としているが,今年度は下記手順で揺動MRイメージングを初めて成功させた. (1)ECG triggered multi-phase diffusion MRIの撮像:脳をマルチスライス多時相の心電同期diffusion MRIで撮像を行い,各心時相において規格化したb値を変化させた画像を得た. (2)q空間軸で変位画像を作成:b値-信号強度曲線をピクセル単位で指数関数フィッティングした後,q空間上に変換し,その半値幅から各心時相における変位画像を作成した. (3)頭蓋内容積負荷の算出:phase-contrast cine MRIで得た大後頭孔レベルの髄液流量波形と動静脈血流量波形から,心時相における脳の正味の容積負荷すなわち頭蓋内容積変化と総脳血流量を算出した. (4)揺動変位画像の作製:(2)で得た変位画像の心周期における最大値と最小値の差をピクセルごとに算出し,(3)で求めた頭蓋内容積変化または総脳血流量の心周期における最大変化量で除して揺動変位画像を得た. 以上の手順で得た揺動変位画像を健常ボランティアにおいて検討した結果,脳の領域において水分子の揺動変位が異なることが判明した.また,頭蓋内容積変化よりも総脳血流量の心周期における最大変化をdriving forceと定義した方が,ロバスト性は高くなることが判明した.次年度は,ファントム実験によって本手法のパルスシーケンスと解析プログラムを最適化するとともに.正常圧水頭症例および脳腫瘍例において検討を開始する予定である.
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