2010 Fiscal Year Annual Research Report
揺動MRイメージングによる脳局所のバイオメカニクス解析と臨床利用
Project/Area Number |
21591550
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮地 利明 金沢大学, 保健学系, 教授 (80324086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間瀬 光人 名古屋市立大学, 医学研究科, 准教授 (60238920)
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Keywords | 医療・福祉 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 磁気共鳴画像(MRI) / バイオメカニクス |
Research Abstract |
本研究は揺動MRイメージング法によって脳局所におけるバイオメカニクスの情報を画像化し,新たな診断情報として利用することを目的としているが,今年度は揺動MRイメージングによる特発性正常圧水頭症における検討およびファントム実験を行った. 特発性正常圧水頭症の検討に関しては,脳の前頭葉白質領域(T_2強調象上でperiventricular high intensityの箇所を除く)における水分子揺動量が,健常ボランティアおよび無症候性脳室拡大もしくは脳萎縮と比較して有意に増加した.この事実から頭蓋内コンプライアンスが低下する特発性正常圧水頭症では,driving forceとなる脳血流によって脳実質内の水分子が揺さぶられやすい状態にあることを示しており,本イメージング手法によって脳のバイオメカニクスの情報を得られることが判明した. 一方,ファントムにおける検討では,ヘモダイアフィルターを改良した独自のファントムを開発して,ファントム内の圧力を測定しながら周期的な容積負荷(脳血流に相当)によるファントム内水分子の揺動変化を計測した.その結果,容積負荷によって水分子揺動量は変化し,ファントム内圧力変化と水分子の揺動変化は同期していることなど水分子揺動の機序が明らかとなった. 次年度は,さらに特発性正常圧水頭症の症例を重ねながら頭蓋内コンプライアンスや臨床所見及び画像所見などのデータも含めて総合的に検討するとともに,正常圧水頭症における標準的検査法であるtap test前後における水分子の揺動量の変化に関して調べる.
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