2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の発症前診断を目指した新規イメージング剤の開発
Project/Area Number |
21591555
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
松島 芳隆 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20282816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間賀田 泰寛 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (20209399)
記野 順 浜松医科大学, 医学部, 教務員 (40262810)
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Keywords | PET / アルツハイマー / 有機合成 |
Research Abstract |
脳内には主にα4β2とα7の2種類のニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)が存在し、これらは認知機能に関与することが知られている。アルツハイマー病や統合失調症においてもこれらの分子の寄与が考えられ、最近、死後脳を用いた研究により、アルツハイマー病の初期段階におけるニコチン性アセチルコリン受容体α7サブタイプ(α7 nAChR)の関与が示唆された。α7 nAChRの体内動態を知るためには、適当なイメージング剤が必要だが、現在のところ開発されていない。そこで、本研究ではこれら疾患の病態解明やその定量的な評価法の確立を目指し、<7nAChRを画像化するためのイメージング剤の合成化学的研究を行い、究極的にはアルツハイマー病の発症前診断薬としての臨床応用へと展開するための研究基盤を確立することを目的とした。本年度は、まず昨年度新規イメージング剤候補となるリガンドとして分子設計し、合性したラセミの非標識化合物候補のリガンドとしての評価を行った。その結果、継続してその光学活性体の合成を行うべく、原料となるラセミ体の(quinuclidin-3-yl)methanolの供給を効率よく行うための新規合成法を探索・実行した。またさらにα7 nAChRに選択的で、高い親和性をもつことが期待される低分子化合物について、合成および放射性標識の容易さ、代謝安定性、脳移行性などを考慮して化合物の設計を引き続き行っている。
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