2009 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓における非造影MR perfusion画像の確立とその臨床的有用性の検討
Project/Area Number |
21591558
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯田 裕義 Kyoto University, 医学研究所, 准教授 (20309214)
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Keywords | 放射線 / 臨床 / 核磁気共鳴画像 / 肝臓 / 血流 |
Research Abstract |
まず男女健常ボランティアにおいて、門脈及び動脈を選択的に描出できるようなTagパルスを設定した非造影MR perfusion画像をいくつかの条件で撮像、その画質を評価した。またinversion時間を変化させた非造影MR perfusion画像も撮像し、各inversion時間で撮像された画像を組み合わせて差分画像も作成し、門脈血流のみ及び動脈血流のみを反映した肝血流情報が得るのに最適なinversion時間と差分画像の方法も検討した。その結果、(1)肝辺縁領域における肝実質の血流情報を得るには、最短のTR時間・TE時間・90度以上のFlip Angleでの撮像が適しており、1200mesec。以上のinversion時間が必要であること、(2)1.5T MR装置では信号雑音比が低いため、門脈及び動脈自体の描出は良好であるもののヽ肝実質の信号上昇は十分ではないので、薄い撮像スライスでは良好な画質が得られないこと、(3)1200mesec.の以上の長いinversion時間による撮像では、肝実質の信号が回復してしまうので、門脈・動脈血流による信号上昇と肝実質の信号回復による信号上昇との区別が困難であること、(4)単なる差分画像では、アーチファクトが目立つことが判明した。1.5T MR装置で非造影MR perfusion画像を得るにはいくつかの問題点をクリアする必要があると考えられた。そこで本年度より当施設に導入された3T MR装置で、再度肝臓における非造影MR perfusion画像の至適撮像条件の検討することとなった。3T MR装置は、信号雑音比が高く、T1時間も延長し肝実質の信号回復も小さいので、1.5T MR装置での非造影MR perfusion画像撮像で問題となった点を解決できる可能性があると思われる。
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