2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓における非造影MR perfusion画像の確立とその臨床的有用性の検討
Project/Area Number |
21591558
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯田 裕義 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20309214)
|
Keywords | 放射線 / 臨床 / 核磁気共鳴画像 / 肝臓 / 血流 |
Research Abstract |
3T MR装置にて、非造影MR perfusion画像をいくつかの条件で撮像、その画質を評価した。またinversion時間を変化させた非造影MR perfusion画像も撮像し、各inversion時間で撮像された画像を組み合わせて差分画像も作成し、門脈血流のみ及び動脈血流のみを反映した肝血流情報が得るのに最適なinversion時間と差分画像の方法も検討した。その結果、(1)肝辺縁領域における肝実質の血流情報を得るには、3T MR装置でも最短のTR時間・TE時間・90度以上のFlip Angleでの撮像が適していること、(2)3T MR装置では信号雑音比が高いため、門脈及び動脈自体の描出は良好で、肝実質と門脈とのコントラストの増大し、薄い撮像スライスでも良好な画質が得られること、(3)3T MR装置では、1600msec.以上め長いBBTIによる撮像でも、肝実質の信号回復が軽度であること、(4)しかし症例によっては門脈及び動脈自体の描出が1.5 T MR装置よりも不良であることが判明した。3 T MR装置では、肺や心臓近傍では画像に歪みを生じてしまう症例があること、撮像条件の設定が難しく門脈及び動脈の信号が十分では場合があること、3 T MR装置による撮像では、B1の不均一によるSAR増大により撮像条件が制限される症例があること、B1の不均一により信号むらが目立つ症例があることが門脈及び動脈の描出不良の原因と考えられた。そこで1.5 T MR装置にて、これまでの撮像条件を踏まえて肝臓における非造影MR perfusion画像の至適撮像条件を再検討した。複数のTagパルスを肝臓内に設定し、肝臓の信号がnullに近い状態になるようにして撮像すると、1600msec.以上の長いBBTIによる撮像でも肝実質の信号回復が軽度であり、肝実質と門脈とのコントラストの増大した。本条件でTime-SLIP法を併用した非造影perfusion画像とTime-SLIP法を併用しない非造影perfusion画像を差分することにより、門脈血流のみ・動脈血流のみを反映した肝血流画像が得られることがわかった。
|