2011 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓における非造影MR perfusion画像の確立とその臨床的有用性の検討
Project/Area Number |
21591558
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯田 裕義 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20309214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富樫 かおり 京都大学, 医学研究科, 教授 (90135484)
柴田 登志也 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60162632)
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Keywords | 放射線 / 臨床 / 核磁気共鳴画像 / 肝臓 / 血流 |
Research Abstract |
昨年度までの検討で、1.5TMR装置での肝臓における非造影MR perfusion画像では、複数のTagパルスを肝臓内に設定し、肝臓の信号がnullに近い状態になるようにして撮像すると、1600msec.以上の長いinversion時間による撮像でも肝実質の信号回復が軽度で、肝実質と門脈とのコントラストの増大すること、本条件でTime-SLIP法を併用した非造影perfusion画像とTime-SLIP法を併用しない非造影perfusion画像を差分することにより、門脈血流のみを反映した肝血流画像が得られることがわかった。本年度は男女健常ボランティア24例において、門脈perfusion画像を1600msec.以上の長いinversion時間をいくつか用いて撮像、その画質を評価した。また差分画像も作成し、門脈血流を反映した肝血流情報が得るのに最適なinversion時間も検討した。その結果、(1)差分画像を作成することにより、約半数(13例)にて強い肝実質の信号上昇が得られた。その他中等度の肝実質の信号上昇が得られたのが7例で、差分画像を作成しても軽度の肝実質の信号上昇しか得ることができなかったのは4例にとどまった。(2)最大の信号上昇を示すのは、inversion時間1600msec.で3例、inversion時間2000msec.で11例、inversion時間2400msec.で10例であり、個人差が目立った。(3)inversion時間2400msec.の撮像では、患者の呼吸等の動きによると思われるアーチファクトが目立つ症例が多かった。健常ボランティアにおける検討から、1.5T MR装置での非造影門脈MR perfusion画像を得るには、1600msec.以上の長いinversion時間をいくつか用いて撮像し、差分画像を作成する必要があると考えられた。上記の点に注意すれば、80%以上の症例で臨床応用が可能な非造影門脈MR perfusion画像が得られることがわかった。
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Research Products
(3 results)