2009 Fiscal Year Annual Research Report
造影マルチスライスCTによる3次元胃壁血管抽出画像の開発および胃癌診断への応用
Project/Area Number |
21591564
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古森 正宏 Kyushu University, 大学病院, 医員 (90529819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴丸 大介 九州大学, 大学病院, 医員 (90419565)
川波 哲 九州大学, 大学病院, 助教 (50330999)
松浦 秀司 九州大学, 大学病院, 助教 (40419594)
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Keywords | 胃癌 / MDCT / 3次元胃壁血管抽出画像 / 腫瘍濃染 |
Research Abstract |
1) 3次元胃壁血管抽出画像(WC法)の開発: 造影MSCT画像を用いて胃壁における正常部と腫瘍部における深さ-濃度曲線を作成し、正常部と腫瘍部が胃壁内で最大濃度差を示す深度を求めることにより、WC法の画質向上のための最適な抽出深度を設定する。 正常胃壁は部位に関わらず1.875mmの深さで最大濃度を示す一峰性の"深さ-濃度曲線"を呈した。胃壁内とみなせる深さ1.875-3.750mmにおいて腫瘍と正常部に濃度差を認めた。この情報によりWC法の画質向上が期待される。 2) 3次元胃壁血管抽出画像(WC法)を用いた胃癌検出能の検討:術前に造影マルチスライスCTが行われ、なおかつ術後病理組織と対比可能な胃癌患者を対象として胃癌の検出能の検討を行った。病変部を盲検化された専門医2名が(1)5mm厚の軸位横断像のみ,(2)MPR, VE, SSD法の追加,(3)MPR, VE, SSDとWC法の追加,以上3条件で,胃体部前・後壁,胃角前・後壁,前庭部前・後壁の6部位で病変の存在診断能と読影者間の一致率を算出した。結果は、(1),(2),(3)の条件のAUCは,読影者1で(1):0.60±0.05(NS),(2):0.70±0.05(p=0.0001),(3):0.80±0.04(p=0.0001),読影者2で(1):0.55±0.05(NS),(2):0.73±0.05(p=0.0001),(3):0.77±0.04(p=0.0001)で,いずれも3次元表示の追加で病変部の検出率は向上,WC法の追加でさらに向上した。読影者間の一致率(weitedκ)は,(1):0.43±0.07,(2):0.53±0.09,(3):0.73±0.07であった。従来の3次元表示法にWC法を追加すると早期胃癌の病変部の検出は向上することが示唆された。
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Research Products
(1 results)