2010 Fiscal Year Annual Research Report
放射免疫療法における腫瘍増殖能・低酸素状態の画像化
Project/Area Number |
21591580
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
細野 眞 近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (00281303)
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Keywords | 放射免疫療法 / 悪性リンパ腫 / 陽電子断層撮影 / FDG / 低酸素イメージング |
Research Abstract |
イットリウム-90(Y-90)標識抗CD20抗体イブリツモマブチウキセタンによる低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫の放射免疫療法において、治療前後の陽電子断層撮影(PET)・インジウム-111(In-111)標識抗CD20抗体による腫瘍の性状の評価、治療効果判定、治療効果の予測について検討を行った。PET薬剤として、2-deoxy-2-[18F]fluoro-D-glucose(FDG)、[18F]fluoromisonidazole(FMISO)を用いた。Y-90抗体療法の前後でFDGおよびFMISOを用いたPET/CTを施行し腫瘍のSUVを算出して定量的に解析した。In-111抗体イメージングはY-90抗体治療前にSPECT/CTを用いて実施し、腫瘍の集積量を%ID/gとして表した。また比較対象のため外部放射線照射症例においてFDGおよびFMISOを用いてPET/CTを施行した。Y-90抗体療法を受けた症例において、FMISOを投与して経時的に撮像し集積を評価したところ、治療前に比べて治療2週間後は有意に低下し、対象としたろ胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫において、低酸素状態および内部放射線照射による再酸素化が起こったものと考えられた。外部照射症例においても治療後のFMISO集積の低下が観察され、Y-90抗体による内部照射と同様の傾向が確認できた。FDGについてはY-90抗体療法によるリンパ腫病変集積の経時的低下も確認した。さらに治療前のFDG集積と治療効果は有意な関連があって、FDG集積が高いものは治療効果が低かった。一方治療前のIn-111抗体の集積は治療効果との有意な関連はなく、治療前のIn-111抗体集積が低くても治療効果の期待を妨げるものではないことがわかった。以上、イブリツモマブチウキセタン療法による腫瘍性状の貴重な知見を得ることができた。
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