2010 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病線条体セロトニン神経終末のPETを用いた検討
Project/Area Number |
21591585
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Research Institution | 秋田県立脳血管研究センター(研究部門) |
Principal Investigator |
前田 哲也 秋田県立脳血管研究センター(研究局), 神経内科学研究部, 主任研究員 (70359496)
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Keywords | パーキンソン病 / 核医学 / 脳神経疾患 / セロトニントランスポーター / 運動合併症 |
Research Abstract |
我々はパーキンソン病モデルラット黒質線条体系ドパミンニューロン消失後線条体に縫線核線条体系セロトニンニューロンによるserotonergic hyperinnervationが起こり、L-DOPA投与により線条体セロトニン神経終末にドパミンがセロトニンと共存することを報告した。また同ラットにセロトニンニューロン破壊を加えた二重病変モデルにL-DOPAを投与した場合、セロトニン病変のないラットに比して線条体ドパミン放出が約20%に減少したことを報告した。これらの結果はパーキンソン病モデルラット黒質線条体系ドパミンニューロン消失後線条体では、縫線核線条体系セロトニンニューロンが代償性にL-DOPAをドパミンに合成・放出していることを示している。しかし剖検を含めヒトパーキンソン病線条体セロトニンニューロンの検討は行われていない。本研究はPETによりヒトパーキンソン病線条体セロトニン神経終末での変化を明らかにする目的で開始された。 2年目である平成22年度は初年度と同様、自施設でのリガンド合成の準備と経路の完成に注力した。既存のセロトニン神経終末のリガンドとしてはセロトニン1Aレセプターのリガンドである11C-WAY100635、セロトニントランスポーターのリガンドである11C-DASBがある。初年度は11C-DASB合成に必要な体制を整えた。本年度は、当センターに別途、導入された自動化装置により、確実で安定的な供給に向けさらなる体制強化を行った。また11C-DASBを用いた測定開始を前に、10例のパーキンソン病患者で検査実施の具体的なシミュレーションとして18F-FDGを用いたパイロット研究を行った。認知機能障害の有無による同リガンド取り込みの違いをpatient-cohort studyとして検討した。結果は未解析であるが、パーキンソン病患者に対するPET検査の具体的な流れを構築することが出来た。最終年度は11C-DASB測定を開始する。
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Research Products
(10 results)