2011 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病線条体セロトニン神経終末のPETを用いた検討
Project/Area Number |
21591585
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Research Institution | Research institute for Brain and Blood Vesseis Akita |
Principal Investigator |
前田 哲也 秋田県立脳血管研究センター(研究部門), 神経内科学研究部, 主任研究員 (70359496)
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Keywords | パーキンソン病 / 核医学 / 脳神経疾患 / セロトニントランスポーター / 運動合併症 |
Research Abstract |
我々はパーキンソン病モデルラット黒質線条体系ドパミンニューロン消失後線条体に縫線核線条体系セロトニンニューロンによるserotonergic hyperinnervationが起こり、L-DOPA投与により線条体セロトニン神経終末にドパミンがセロトニンと共存することを報告した。また同ラットにセロトニンニューロン破壊を加えた二重病変モデルにL-DOPAを投与した場合、セロトニン病変のないラットに比して線条体ドパミン放出が約20%に減少したことを報告した。これらの結果はパーキンソン病モデルラット黒質線条体系ドパミンニューロン消失後線条体では、縫線核線条体系セロトニンニューロンが代償性にL-DOPAをドパミンに合成・放出していることを示している。しかし剖検を含めヒトパーキンソン病線条体セロトニンニューロンの検討は行われていない。本研究はPETによりヒトパーキンソン病線条体セロトニン神経終末での変化を明らかにする目的で開始された。 最終年度である平成23年度は同年3月の大震災後、研究が滞った。年度内に再開できたが、研究見直しにより、マニュアルでの薬剤合成では短寿命放射性薬剤安全管理委員会および倫理委員会での承認が得にくい可能性が判明し自動合成装置を導入する方針となった。当初の研究申請費用には含まれない機器であったことから資金繰り時間を要し、2012年漸く搬入となった。以降は順調で現在、両委員会への申請段階にきている。現在、11C-DASBの申請準備を整えている。11C-DASBを用いた測定開始前に、既にパーキンソン病患者で18F-FDGを用いたパイロット研究を立案し25例で認知機能障害の有無による同リガンド取り込みの違いを検討した。結果は認知機能障害例は比較的早期から両側前頭葉で取り込み低下が認められた。さらに詳細に解析中である。この経験からパーキンソン病患者に対するPET検査の具体的な流れを構築することが出来た。
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Research Products
(5 results)