2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591590
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清治 和将 Tohoku University, 病院, 助教 (50400247)
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Keywords | 疾患モデル / 血管 / インターベンショナルラジオロジー / 放射線 |
Research Abstract |
研究初年度は、動脈瘤モデル作成の至適条件の検討・設定に費やした。 【方法】 1.ビーグル成犬(雄)を使用。左外腸骨動脈に留置したダブルバルーンカテーテルによって作成した閉鎖空間にエラスターゼ(2ml)を注入し、30分間放置して血管壁をエラスターゼに曝露させた。 2.エラスターゼ曝露前に血管内皮を損傷することの有効性について検討した。 (1)Cuttingバルーンカテーテルを使用 (2)Fogartyカテーテルを使用 (3)血管拡張用バルーンカテーテルを使用 3.閉鎖空間へのエラスターゼ注入法(回数)の違いによる動脈壁への影響を検討した。 【結果】 1.ダブルバルーンの閉鎖空間にエラスターゼ(2ml)を注入し、血管壁に暴露させると、少なくとも1ヶ月後には動脈壁の拡張を認めた。 2.CuttingバルーンカテーテルやFogartyカテーテルでは、血管壁に与える損傷が強く、過剰な血栓形成や動脈の急性破裂が生じた。 3.血管拡張用バルーンカテーテルでは、外腸骨動脈径の約1.5倍のバルーン径までは急性破裂を生じることなく血管内皮損傷が可能で、エラスターゼを血管壁(弾性繊維)により効率的に作用させられる可能性が示唆された。 4.閉鎖空間へのエラスターゼ注入法は、回数によらず1ヶ月後の動脈壁拡張程度はほぼ同様であった。 【結論】以上から、次のことを明らかにした。 1.ダブルバルーンによる閉鎖空間は、血管壁のエラスターゼへの曝露に有効。 2.CuttingバルーンカテーテルやFogartyカテーテルは動脈破裂や過剰な血栓を生じ、動脈瘤作成に適さない。 3.血管拡張用バルーンカテーテルを用いた血管内皮損傷は、血管壁全体へのダメージが少ない。 4.エラスターゼ注入は1回でも、血管壁への作用は可能。
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