2011 Fiscal Year Annual Research Report
血小板機能を用いた門脈塞栓術後肝再生促進に関する研究
Project/Area Number |
21591594
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
村岡 紀昭 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (70397248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 豊彦 福井大学, 医学部, 講師 (40283189)
木下 一之 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (00467127)
今村 好章 福井大学, 医学部附属病院, 准教授 (40223341)
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Keywords | 放射線 / IVR / 肝容積増加 / 門脈塞栓術 / 血小板 / MIB1染色 / 2核化肝細胞 |
Research Abstract |
本研究は、拡大肝切除前に非塞栓側(非切除側)肝容積増加の目的で行われる門脈塞栓術において、塞栓前に血小板を門脈内に直接及び末梢血中に投与することで、早期に肝細胞増殖および肝容積増大がより促されるかを検討するものである。対象は4匹の♀豚で投与群(C,D)と非投与群(A,B)に分けた。昨年度の結果、肝容積において投与群の増加率はコントロールと比較して若干高かったが、有意差は見られなかった。最終年度は摘出標本を特殊染色し、病理組織学的に2群間で、肝細胞増殖に有意差がみられるかを検討した。 方法:摘出標本の非塞栓側の2箇所(頭側と尾側)で標本をMIB1染色とHE染色した。その後、MIB1染色濃染核数と2核化肝細胞数を病理医と合意のもと測定した。詳細は下記。 (1)MIB1染色では20倍の視野で5視野選択し、1視野200個の核(合計1000個)の中で濃染している核をカウントした。 (2)2核化肝細胞ではHE染色標本を20倍の視野で2視野選択し、1視野200個の核(合計400個)の中で2核化細胞数をカウントした。 結果:血小板投与群(C,D)でのMIB1染色の1視野の平均濃染核個数(頭側:C6.4個、D11/6個、尾側:C2.6個、D10個)はコントロール群(頭側:A5.7個B4.2個、尾側:A1個、B3.6個)と比較して多い傾向が見られたが、有意差はなかった(頭側上P=0.44,尾側:P=0.34)。(2)2核化肝細胞数に関しては血小板投与群での平均2核化細胞数(頭側:C20.5個、D22.5個、尾側:C22個、D24個)はコントロール群(頭側:A11個B14.5個、尾側:A8.5個、B11.5個)と比較して尾側ではP=0.025と有意に多かったが、頭側では有意差は見られなかった。 結論:2例ずつと少ない症例数ながら、病理組織学的に血小板投与群の方が、肝細胞の増殖をより促進している傾向が見られたが、有意差はなかった。
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