2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内情報伝達系分子PKCのPETイメージング法開発のための基礎的研究
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21591601
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 和弘 独立行政法人理化学研究所, イメージング基盤ユニット, ユニットリーダー (20370257)
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Keywords | シグナル伝達 / 生体分子 / 脳神経 / 標識合成 / radiophamaceuticals / PKC / 分子イメージング / PET |
Research Abstract |
脳虚血病態におけるプロテインキナーゼC(PKC)の役割や挙動を明らかにし、臨床応用の可能性を探るため、計画に従ってN,N-diethyl-[^<18>F]fluoromethyltamoxifen(化合物3)の標識合成を行い動物における基礎的評価を行った。その結果、化合物3ではモデル動物での放射能集積の変化を捉えることが難しいことが明らかとなった。化合物3の解離常数が比較的大きいため親和性が低く、安定した結合を観測することが難しいことが原因と考えられる。そこで、化合物3の類似の活性を示すフッ素18標識化合物16α-[^<18>F]fluor-17β-estradiol(化合物4)の標識合成を検討することとした。 サイクロトロンを用いて^<18>O水をターゲットとして^<18>O(p,n)^<18>F反応で産生する[^<18>F]フッ素アニオン水溶液を製造し、クリプトフィックス222および炭酸カリウムを用いて活性化した後、十分水分を除去し、アセトニトリル中95℃で標識前駆体3-O-Methoxymethyl-16,17-O-sulfhryl-16-epiestriol(16,17位ジオール部のシクロスルホン酸エステル体の3位メトキシメチル保護化合物)との求核置換反応を行った。アセトニトリル中10分間反応後、反応液中の目的[^<18>F]化合物4をHPLCを用いて分取精製し、放射線分解を抑えるためにアスコルビン酸注射液を添加した後有機溶媒を除去し、滅菌フィルターを通して注射剤として得ることができた。 今後、小動物における体内動態および脳虚血モデル動物における虚血周辺部での放射能集積をex vivoオートラジオグラフィやマイクロPETを用いて検討する予定である。
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