2010 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーを標的とした膵癌に対する集学的な新規放射線化学療法の開発
Project/Area Number |
21591609
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡本 欣晃 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床講師 (20362791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (30346267)
杉村 和朗 神戸大学, 医学研究科, 教授 (00136384)
西村 英輝 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (80444610)
吉田 賢史 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80351906)
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Keywords | オートファジー / 放射線治療 / 併用療法 |
Research Abstract |
課題はオートファジーを標的とした膵癌に対する集学的な新規放射線化学療法の開発であるが、膵癌は最も難治な悪性腫瘍の一つであり、放射線感受性は中程度であるものの、放射線治療単独では治癒に至ることが少ない。近年、ジェムザール等新規抗癌剤の併用が適応されつつあるが、原発巣の制御を含めて更なる治療成績の向上が望まれている。固形腫瘍では、放射線照射によるアポトーシスによる細胞死は数%であると報告され、非アポトーシスによる細胞死の誘導がその治療効果の鍵を握る。その中でもオートファジーは放射線照射後の細胞の生死を決定づけるとされル細胞内分子機構であり、その制御が更なる治療効果を誘導する可能性が高い。今回の研究ではそのオートファジーに着目し、放射線照射、抗癌剤(ジェムザール)でのオートファジーの誘導の程度を判定し新たな治療戦略を開発することを目的とした。方法と結果を以下に示す。 ヒト膵癌細胞を用いてジェムシタビンの増殖抑制効果をMTT Assayで判定した。放射線照射と併用療法の効果はColony forming assayで判定した。ヌードマウス皮下にMIAPaCa-2を移植し、増殖抑制効果と生存率を比較した。オートファジーの関与は併用療法、ジェムシタビン、放射線照射の順で強いことがLC3の定量、電子顕微鏡像で確認された。一方、アポトーシス関与はいずれの治療法でも5%以下と少なかった。3-MAを作用させAutophagosomeを定量した検討ではオートファジーは本治療法では細胞増殖抑制に寄与していることが示唆された。In vivoでもオートファジーの関与に相関するように腫瘍の増殖抑制効果が確認され、摘出腫瘍ではLC3、Beclin-1の発現が確認された。 今回の検討ではアポトーシスではなく、オートファジーが膵癌の増殖抑制効果に強く関与していることが判明し、新たな知見と考えられた。
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Research Products
(6 results)