2010 Fiscal Year Annual Research Report
扁平上皮癌の癌幹細胞の生存・増殖・分化における放射線被曝間質細胞の役割と制御機構
Project/Area Number |
21591613
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
蒲地 紀之 佐賀大学, 医学部, 助教 (70452836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 修二 佐賀大学, 医学部, 教授 (80188755)
工藤 祥 佐賀大学, 医学部, 教授 (50161641)
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Keywords | 扁平上皮癌 / 癌幹細胞 / 線維芽細胞 / 放射線 / 増殖 / 浸潤 / 遺伝子不安定性 |
Research Abstract |
平成22年度までの結果では、扁平上皮癌細胞株からCD44陽性癌幹細胞を単離に成功した。線維芽細胞は、癌幹細胞の生存・自己複製・癌細胞産生を促進する傾向が見られた。更に、癌幹細胞に対する放射線被曝線維芽細胞の影響を同様に検討した結果、癌幹細胞の生存・自己複製率・癌細胞産生に関しても促進傾向が見られたが、依然として培養条件によって実験毎にバラツキがあり、両者間に統計学的な有意差は得られていない。放射線に曝露された線維芽細胞が、分化の決定した扁平上皮癌細胞では増殖・浸潤を促進することは確認できているが、癌幹細胞の生存・増殖・分化に関しては確定的でなく、今後詳細な検討が必要と考えられる。 また、間質細胞誘導性の癌幹細胞の細胞動態の仲介因子同定を試みているが、TGF-βに何らかの関与があるということが傾向としてみられる程度である。 今後は、安定した結果の得られる培養方法を更に追求する。培養系での放射線被曝線維芽細胞が癌幹細胞の遺伝子不安定性に与える影響を解明するため、cDNA microarrayによる網羅的遺伝子解析と癌幹細胞への候補遺伝子産物の蛋白やその阻害剤(抗体、siRNAなど)の投与実験により、被曝線維芽細胞誘導性の癌幹細胞の細胞動態の仲介因子を同定する。また、癌幹細胞と放射線被曝線維芽細胞や非被爆線維芽細胞の組み合わせによるスキッド・マウスへの移植実験を行い、造腫瘍能・転移巣形成における被曝線維芽細胞の役割を解明する。
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Research Products
(3 results)