2011 Fiscal Year Annual Research Report
扁平上皮癌の癌幹細胞の生存・増殖・分化における放射線被曝間質細胞の役割と制御機構
Project/Area Number |
21591613
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
蒲地 紀之 佐賀大学, 医学部, 助教 (70452836)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 修二 佐賀大学, 医学部, 教授 (80188755)
工藤 祥 佐賀大学, 医学部, 教授 (50161641)
|
Keywords | 扁平上皮癌 / 癌幹細胞 / 線維芽細胞 / 放射線 / 増殖 / 浸潤 / 遺伝子不安定性 |
Research Abstract |
平成23年度までの結果では、扁平上皮癌細胞株からCD44陽性癌幹細胞を単離に成功した。線維芽細胞は、癌幹細胞の生存・自己複製・癌細胞産生を促進する傾向が見られた。更に、癌幹細胞に対する放射線被曝線維芽細胞の影響を同様に検討した結果、癌幹細胞の生存・自己複製率・癌細胞産生に関しても促進傾向が見られたが、依然として培養条件によって実験毎に結果が異なり、両者間に統計学的な有意差は得られていない。また、放射線被曝線維芽細胞-癌幹細胞相互作用における細胞浸潤・遊走関連分子であるHGF1C-Metpathway、MMP-1,9、ラミニンγ2、filaminAの発現に有意差は見られなかった。放射線被曝線維芽細胞-癌幹細胞相互作用における遺伝子不安定性マーカーである53BP1の発現にも有意差は見られなかった。 放射線に曝露された線維芽細胞が、分化の決定した扁平上皮癌細胞では増殖・浸潤を促進することは確認できているが、癌幹細胞の生存・増殖・分化に関しては確定的でなく、今後詳細な検討が必要と考えられる。間質細胞誘導性の癌幹細胞の細胞動態の仲介因子同定を試みているが、TGF-βに何らかの関与があるということが傾向としてみられる程度である。
|
Research Products
(3 results)