2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591618
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
鍵谷 豪 Kitasato University, 医療衛生学部, 助教 (30524243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 良平 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (60334736)
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Keywords | テンポール / HIF-1α / 遺伝子発現 / 低酸素細胞 / ニトロオキシド化合物 / 遺伝子治療 / 殺細胞効果 |
Research Abstract |
癌組織には、正常組織と比較し酸素濃度の低い低酸素細胞領域が存在する。この領域は、従来の化学療法や放射線療法に対して抵抗性を示し、治療後の再発の原因として問題視されている。一方、近年、癌細胞は、その低酸素環境に適応するため低酸素誘導因子(HIF-1α)を発現し、細胞増殖、細胞死に関わる遺伝子を制御していることが判明してきた。こうした背景の下、我々は低酸素環境下でニトロオキシド化合物であるテンポールを細胞に添加した場合、低酸素誘導因子(HIF-1α)の発現が、大気酸素分圧下テンポール非添加細胞群と比較し約8倍と有意に増加することを見いだした。この発現誘導機構を応用した遺伝子治療への進展を目指し、今年度は、テンポール添加による、より発現誘導率の高いプロモーターへの改良と、テンポール濃度、酸素濃度による発現誘導率変化に関する基礎データ収集を目的とし研究をおこなった。HIF-1α発現誘導の評価には、免疫ブロッド法とルシフェラーゼ定量法を用いた。プロモーター改良に関しては、低酸素応答エレメント数を増やし、またエレメント間の距離を最適化することにより、これまでの約8倍から約35倍とより高い遺伝子発現を有するプロモーター構築に成功した。また、酸素依存的分解ドメインを付加することで、その遺伝子発現を約300倍へと増強することに成功した。さらに、この改良型プロモーターは抗がん剤、ドキソルビシンと併用することで、約600倍の遺伝子発現を有することを突き止めた。テンポール濃度、酸素濃度による発現誘導率変化に関しては、テンポール濃度2mM、酸素濃度1%で最も高い発現誘導率が得られた。テンポールを併用することで、より高い発現誘導を示す改良型プロモーターは治療用ベクターに搭載可能と考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Enhancement of artificial promoter activity by ultrasound-induced oxidative stress.2009
Author(s)
Ogawa, R., S.Lee, H.Izumi, G.Kagiya, T.Yohsida, A.Watanabe, A.Morii, S.Kakutani, T.Kondo, L.B.Feril, Jr., T.Ishimoto.
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Journal Title
Ultrasonics Sonochemistry 16
Pages: 379-386
Peer Reviewed
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[Journal Article] Construction of artificial promoters sensitively responsive to sonication2009
Author(s)
Watanabe, A., S.Kakutani, R.Ogawa, Sung-il Lee, T.Yoshida, A.Morii, G.Kagiya, LB.Feril, Jr., H.Fuse, T.Kondo
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Journal Title
J.Med.Ultrasonics. 36
Pages: 9-17
Peer Reviewed
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