2011 Fiscal Year Annual Research Report
生体内反応で発生する代謝活性ラジカルを利用した低酸素細胞増感剤の開発と臨床応用
Project/Area Number |
21591619
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
茂松 直之 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30178868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 哲也 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60234077)
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Keywords | ラジカル / 増感効果 / 染色体解析 / 増感遺伝子解析 |
Research Abstract |
腫瘍細胞と正常細胞の放射線感受性および6-FPをコロニー法で検討した。増殖している臓器における感受性は増殖期細胞集団、また静止期にある正常組織、腫瘍組織を想定して非対数増殖期の細胞を細胞接触状態および低栄養状態で作成し、6-FPの増感効果を検討した。正常細胞と比較すると腫瘍細胞の生存率は低かった。更に6-FPが細胞に作用する時間を放射線照射前後で比較検討した結果、6-FPは照射時に存在するとその増感効果を示し、照射後に作用させても影響は見られなかった。そこで、放射線照射による染色体異常の頻度を照射単独、または6-FPとの併用で比較したところ、併用することで増感効果が上がった。次に細胞周期動態をフローサイトメトリーで解析するとG2/M期の腫瘍細胞に対して6-FPの増感効果が強くみられた。GO/G1期の細胞に対しても正常細胞と比較すると、増感効果はみられ、アポトーシス誘導率を照射単独と併用で比較すると、p53の活性化がより腫瘍細胞で強くみられた。放射線単独および6-FPとの併用により増感効果を評価した細胞群をヌードマウス大腿皮下に移植し、腫瘍を形成させた。腫瘍に対して6-FPを経皮的に投与した群と投与していない群で、腫瘍の放射線増感効果をコロニー法にて比較検討を行った。投与群と比較すると非投与群の腫瘍細胞の生存率は低かった。引き続き、サイトカラシンBを用いた微小核小体の形成率、染色体異常の頻度を照射単独と6-FP併用群で比較検討し、更に細胞周期動態をフローサイトメトリー法で解析し、アポトーシス誘導率を照射単独と併用で比較検討する予定である。
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