2009 Fiscal Year Annual Research Report
放射線直腸粘膜障害に対する予防と治療―直腸挿入亜鉛製剤の設計と評価―
Project/Area Number |
21591622
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
上紺屋 憲彦 Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (00185985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富士原 将之 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90388827)
高田 康弘 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20461048)
廣田 省三 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20181216)
前田 弘彰 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00388828)
小林 薫 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70388817)
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Keywords | 放射線直腸炎 / 亜鉛 / 前立線癌 / 放射線治療 |
Research Abstract |
本研究は放射線治療による直腸粘膜障害を動物実験による基礎検討と、前立腺癌治療患者による臨床検討に大別、平成21年度は実験動物による放射線直腸障害モデルの確立と、亜鉛製剤の作成を確立した。 1)放射線直腸障害モデル実験系の確立。 ラットの放射線照射はHubmannの報告による倒立位で固定照射。麻酔下ラットに陽性造影剤注腸し倒立位にて腸管の下垂と直腸照射範囲の設定を確認できた。照射野約2.5cm照射。エネルギーは10MeV電子線。4MX線。照射線量は20~25Gy/frの一回照射。亜鉛坐剤・抗潰瘍坐剤・対照坐剤を朝夕2回、照射前日から照射後7日まで肛門に挿入。直腸粘膜の変化を経時的的に内視鏡で観察。14日・180日で屠殺、直腸摘出し病理学的に評価。 2)亜鉛化合物を主薬とした坐剤の設計、製剤化。溶解時間・拡散範囲を確認。 亜鉛化合物としては亜鉛-Lカルノシン錯化合物、硫酸亜鉛。当初ハードファット(ホスコH-15)を基剤とした実験動物用坐剤に製剤しラット肛門より挿入していたが、透視にて拡散・付着性の検討から、白色ワセリン・ラノリン基剤とした軟膏とし、注射器にて肛門より無麻酔下にて確実に投与可能となった。溶解時間・拡散範囲は硫酸バリウムを白色ワセリン・ラノリン基剤の軟膏としラットに挿入。挿入2時間後までX線透視下に残存を確認できた。 3)亜鉛坐剤投与実験動物おける放射線照射による直腸粘膜の肉眼的・病理組織学的変化の検討。 内視鏡所見と摘出標本の所見は一致。病理組織学的には上皮の変化、炎症細胞の程度と深度につき亜鉛製剤投与群とコントロール群間に有意差を認めた。
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Research Products
(5 results)