2010 Fiscal Year Annual Research Report
ドナー特異的制御性T細胞解析による移植後の新しい免疫寛容評価法の確立
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21591634
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
羽根田 正隆 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 寄附講座講師 (50436995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 孝彰 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 寄附講座教授 (70314010)
岩崎 研太 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 寄附講座助教 (10508881)
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Keywords | 移植免疫 / トレランス / 制御性T細胞 / Clonal deletion / Anergy / TCR repertoire解析 / T cell cloning / ELISpot assay |
Research Abstract |
・ 抗体関連型拒絶反応と抗原特異的CD4+T細胞の解析 ヒト制御性T細胞(Treg)の免疫制御は抗原特異的および非特異的の両方の仕組みがある。非抗原特異的制御について、移植前後で末梢血.中Foxp3 mRNAの発現につき時系列に解析を行った。FoxP3 mRNAは移植直後から低下しその後、前のレベルに戻った。またcalcineurin inhibitorを用いない症例では優位に高かった。HLA抗体(+)Cr2.0以上の症例でFoxP3の発現が優位に低下していた。上記内容を投稿し受理された(Transplantation. 2010. 91. 191-198)。 次に抗原特異的制御について解析を行うために、HLA抗原得的CD4+T細胞が存在するか確認した。ドナーHLA抗体陽性(FCXMT(-),B(+))症例で移植後にドナーHLA抗原peptideを用いて刺激しHLA特異的CD4+T細胞を増殖させることに成功した。しかしT cell cloneを樹立するには至らず、現在T cell cloneを樹立する方法を試みている。抗原特異的CD4+T細胞のT cell receptor (TCR)と同じTCRを持つT regについて解析を行うことが出来れば抗原特異的T regについても解析可能と考えており、研究を続ける予定である。 ・ Anergyの解析法の確立 Ionomycinを用いCD8+およびCD4+T細胞にanergyを誘導し、anergyを制御する遺伝子ICTH, c-cb1, egr2について解析を行った。この内erg2は誘導前にほとんど発現がなく、誘導後に強く発現しており、Anergyになっている状態の細胞を判定するのに有用と考えられた。移植前後で末梢血中のerg2 mRNAの発現につき時系列に解析を行ったところ、移植直後に低下しその後、前のレベルに戻る症例やそれ以上に上昇する症例を認めた。今後症例数を増やし解析を続ける予定である。
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Research Products
(3 results)