2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591640
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
桂 春作 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 助教 (40457304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱野 公一 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60263787)
久保 正幸 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60420519)
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Keywords | 血管新生 / 細胞移植 / 生着率 / 低酸素 / プレコンディショニング / 再生医療 / 末梢血単核球 |
Research Abstract |
細胞移植による血管新生治療は虚血性疾患に対する有望な治療法である。一方で、虚血組織での移植細胞の生着率が極めて低いことが問題となっている。我々は、移植細胞に対する低酸素培養が移植後の生着率を上昇させて治療効果の向上につながると仮説を立て、この仮説の検証を本研究の目的とした。21年度は、末梢血単核球に対する低酸素培養によって遺伝子発現が変化し、接着率や生存率が上昇するか否かについてin vitroで検討した。C57BL/6マウスから末梢血を採取し、比重遠心法にて末梢血単核球を単離した。単離した末梢血単核球は、低酸素(2%O2;Hypoxia群)または正常酸素(20%O2;Normoxia群)条件下で33℃にて24時間培養した。培養後の細胞を用いて、以下の検討を行った。MicroarrayとRT-PCRによる遺伝子発現解析によって、接着(Intergin alphaM)、細胞生存(Hexokinase-2)、抗酸化(Heme oxygenase-1)、血管新生(VEGF)に寄与する分子が低酸素培養に伴って上昇することが確認された(P<0.05)。次に、37℃にて24時間培養後に細胞接着を評価したところ、Normoxia群と比較して、Hypoxia群では接着細胞数が有意に多かった(P<0.01)。また、酸化ストレス負荷条件下で37℃、24時間培養後に細胞生存を評価したところ、Normoxia群と比較して、Hypoxia群では細胞生存率が有意に増加していた(P<0.01)。さらに、Hypoxia群で発現が上昇していた分子の阻害剤投与によって、Hypoxia群の細胞生存率はNormoxia群と同程度までに低下した。以上の結果から、末梢血単核球に対する低酸素培養によって遺伝子発現の変化が生じ、接着率や生存率が上昇することが示された。
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Research Products
(3 results)