2010 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌における獲得免疫機構の解明と外科との融合を目指した新規癌治療戦略の開発
Project/Area Number |
21591648
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
庄 雅之 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50364063)
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Keywords | 消化器癌 / メモリー細胞 / 免疫療法 |
Research Abstract |
消化器における腫瘍内浸潤メモリーT細胞発現の臨床的意義 膵癌,胆道癌,食道癌,胃癌,転移性肝癌の切除標本を用いて,メモリーT細胞のマーカーとしてCD45RO染色を行い,イメージングアナライザーを用いて定量化を行った.メモリーT細胞腫瘍内浸潤と予後,再発形式,臨床病理学的因子との間に有意な関連を認め,臨床的意義が明らかとなった.すなわち,腫瘍局所に浸潤したメモリーT細胞の多いのものほど,術後の予後は良好であり,再発も有意に抑制されていることを示唆するデータが得られた.また腫瘍局所の免疫活性とも相関した. 消化器におけるT細胞Negative Signal阻害による癌治療戦略 T細胞Negative SignalであるCTLA-4,PD-1阻害による有意な抗腫瘍効果を確認し,新たな治療標的分子となり得ることを明らかとした.さらに同時阻害による相乗的な抗腫瘍効果についても確認し,臨床上の有用性も示唆された.治療中の明らかな有害事象は認めなかった. 以上の結果から,T細胞,特にメモリーT細胞の能動的誘導が,癌治療において重要であることが示唆された.今後さらに機序等を解析していく予定である.
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