2009 Fiscal Year Annual Research Report
癌特異的変異タンパクを標的とした甲状腺乳頭癌及び未分化癌に対する治療法の開発
Project/Area Number |
21591663
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菊森 豊根 Nagoya University, 医学部附属病院, 病院助教 (90402635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 良敬 名古屋大学, 環境医学研究所, 准教授 (80420363)
小林 猛 中部大学, 応用生物学部, 教授 (10043324)
中尾 昭公 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70167542)
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Keywords | BRAF / 甲状腺癌 / 温熱治療 / ヒートショック蛋白 |
Research Abstract |
【培養細胞実験】BRAF変異を有するヒト癌培養細胞における各種遺伝子発現の検討。 1.ヒト癌培養細胞株であるNPA細胞においてPCR-RFLP法によりBRAFの変異を確認した 2.NPA細胞においてsiRNAを用いてBRAFのmRNA発現を抑制することにより、悪性化の指標である遺伝子群の発現が抑制された。 3.NPA細胞以外のBRAF変異を持つヒト甲状腺乳頭癌細胞株としてK1細胞、変異を有さないヒト甲状腺乳頭癌細胞株としてTPC-1においてBRAFのmRNAの発現をreal-time RT-PCRで検討した。 4.ヒートショック蛋白抑制剤である17-AAGの添加により変異BRAFが抑制され、細胞増殖が抑制されることが予想されている。乳がん細胞株で17-AAGの添加によりアポトーシスが誘導され、細胞増殖が抑制された。 【臨床検体をもちいた実験】甲状腺乳頭癌臨床検体を用いてBRAF変異と悪性度の関連を検討した。 1.ヒト甲状腺乳頭癌臨床検体を用いてダイレクトシークエンス法によりBRAFの変異を検討し、約9割で変異を認めた。 2.ヒト甲状腺乳頭癌臨床検体での検討で、変異BRAF mRNAの発現と悪性度の関連する遺伝子のmRNAの発現に有意な正の相関を認めた。また、分化度を反映する遺伝子のmRNAの発現との間には負の相関傾向を認めた。 培養細胞実験、臨床検体を用いた実験の結果は国際専門誌(査読あり)であるEndocrine Journalに掲載された。またアポトーシスの関連については日本乳癌学会総会にて口頭発表した。
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